「ひろゆき理論」に捜査当局の考えとは NHK党・立花氏の千葉県知事選出馬

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お灸を据えたい

 どうやら警察当局は立花氏を何らかの「お灸を据えたい」と考えている節がある。

「兵庫県知事選では立花氏は当選を目指さず斎藤氏の当選を後押しするような動きを見せ、2馬力選挙と批判を浴びました。現在出馬している千葉県知事選でも選挙運動は兵庫県内で行っていて、その理由について“兵庫県の問題がいまだにくすぶっている”ことをあげています。一連の行動を公選法は禁止しておらず立花氏がこれで訴追されることはなさそうですが、“千葉県知事選に出馬して兵庫県で主義主張を繰り返す事態を子供に説明するのは難しいよねぇ”という声が色んなところから上がっています。県警も“社会のシステムの抜け道を探し出して秩序を破る者”とみなして摘発に前向きになっているようです」(同)

 イケイケに見える立花氏にも泣き所はある。NHKの受信契約者の個人情報を不正入手してネット上に投稿してNHKの業務を妨害したとして、不正競争防止法違反(営業秘密領得)と威力業務妨害などの罪に問われ、懲役2年6月、執行猶予4年の判決を受けたが、これが2023年3月に確定している。

執行猶予が明けるまで

「つまり、執行猶予が明けるまであと2年残されています。そんな中、刑事告発されて県警の捜査対象になっていること、捜査当局が訴追に前向きになっていることは本人にとっても悩ましいことではないかと見られています」(同)

 そんな立花氏に関しては、実業家のひろゆき氏が「執行猶予中の立花孝志氏は、選挙に出てる間は逮捕されないから、ひたすら選挙に出続ける説」「早速、南あわじ市長選に立候補してるし、信ぴょう性高そう」などと語ったことがある。

「“まさかそんなことはないでしょう”などといった声もありましたが、実際に捜査関係者に確認したところ、“ないこともない”といった反応でした。出馬が隠れみのになって逮捕を回避できるわけではありません。が、仮に刑事告発を受けた名誉毀損事案は緊急の身柄拘束が必要なものではない。証拠隠滅や逃亡の恐れがありませんからね。したがって身柄拘束の必要性に疑義が呈される可能性もあるでしょう。捜査関係者は“立花氏の出馬の最大の狙いは露出を多くすることなのだろうが、出馬できる選挙が続かず、ポッカリ穴が開くタイミングはある”とも話していましたが」(同)

「Xデー」を見据えている

 この発言を裏返せば、それなりに捜査当局は「Xデー」を見据えているようにも見えるが。

「そうですね。何もなければ選挙日程を隅から隅まで調べたりなどということはないでしょうし、県警本部長の県議会での発言も踏まえれば、どこかで身柄拘束したいという意志があると見て間違いないでしょう。名誉毀損罪は3年以下の懲役などを規定しています。執行猶予中の有罪判決となれば執行猶予は取り消され、懲役2年6月が上乗せされることになり、短期とは言えない刑期になりそうです」(同)

 公選法が禁じていないとはいえ、千葉の選挙運動を兵庫で行うことに理解を示す人たちはほとんどいないだろう。

デイリー新潮編集部

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