副検事が“セカンドレイプ”に加担… 「これでお前も俺の女だ」と部下に性的暴行を加えた大阪地検トップ、被害者が怒りの証言 「検察の組織としての問題が根底に」
“身内”を捜査しようとする姿勢は見られず
しかも検察は、Aさんが復職する際、副検事と同じフロアの席にしたのだった。PTSDに苦しむAさんは、何度も上層部に副検事への厳正な対処を求めたが、色よい返事はもらえなかった。
業を煮やしたAさんは、昨年10月に、名誉毀損と国家公務員法違反などの疑いで副検事を刑事告訴したのである。
だが、検察が“身内”を積極的に捜査しようとする姿勢は見られない。副検事はいまだAさんと同じ地検に籍を置き、通常業務に携わっているという。
再びAさんに聞くと、
「検察官としてあるまじき行為をした副検事が、人の人生に大きく影響する事件の捜査に関わっているとなれば、適正に捜査が行われているのかとの疑問が生じてしまう。当事者のみならず世間からも“事件はちゃんと捜査されたのか”“ゆがんだ処罰をしたんじゃないか”と思われるのではないでしょうか」
「全国の性犯罪の被害者が救われない」
仮に不起訴になれば“おとがめナシ”となる。Aさんによれば、
「起訴の権限を唯一持つ検察が、自らの組織内で起きた性犯罪やセカンドレイプすら厳正に捜査せず、被害者に寄り添う対応ができないなら、全国の性犯罪の被害者が救われません。検察が適正な対応をしなければ、性犯罪者は野放しにされ、新たな被害者を生むことになってしまいます」
検察は事件を北川被告個人が犯したものに矮小化し、副検事の罪を隠蔽(いんぺい)しようとしているのではないか。
そう指摘した上で、Aさんはこう話す。
「現場では命がけで被害者を救おうという検察の職員が大勢います。しかし、最終的に現場を指導する検事総長をはじめ検察幹部や、監督省庁である法務省自体が、誤った組織防衛や保身に走って恣意的に犯罪を隠蔽し、被害者を蔑ろにする意識を持つなら、国民の安全に寄与する組織でなくなってしまいます」
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