副検事が“セカンドレイプ”に加担… 「これでお前も俺の女だ」と部下に性的暴行を加えた大阪地検トップ、被害者が怒りの証言 「検察の組織としての問題が根底に」
「これでお前も俺の女だ」
【全2回(前編/後編)の前編】
検事の厳正な職務の象徴とされる「秋霜烈日のバッジ」には陰りが生じ、輝きを失いつつあるのではないか。大阪地検のトップが在任中に犯した「性的暴行事件」の背後には、検察の闇が垣間見える。裁判が膠着(こうちゃく)する中、被害者の女性検事が本誌(「週刊新潮」)に語った決意の激白。
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「事件の厳正な捜査と真相解明を求める」との声を、法の番人たちはどう受け止めるのか。およそ5万9000筆の署名が、法務省と最高検察庁、それに大阪高等検察庁へ提出されて1カ月余りがたつが、彼らは沈黙を続けている。
ここで言う「事件」とは、大阪地方検察庁のトップ・検事正だった北川健太郎被告(65)が、部下である女性検事Aさんに性的暴行を加え罪に問われた一件を指す。
2018年9月、北川被告は宴席で酒に酔い意識もうろうとしたAさんを、無理矢理官舎に連れ込んだ。恐怖で体が固まり、家族の待つ家に帰りたいと懇願する彼女に、「これでお前も俺の女だ」と執拗(しつよう)に行為を続けたという。
昨年2月、Aさんが刑事告訴に踏み切ったことで、北川被告は準強制性交罪の疑いで逮捕、起訴された。
彼は大阪地裁で行われた初公判で容疑を認めたものの、昨年末の第2回公判を前に一転無罪を主張。裁判が仕切り直しとなり、次回の期日は未定のままだ。
6万3000筆以上の署名が
かように裁判が混迷を深める中、Aさんの支援者らが集まり、前述した署名活動が始まった。1月12日にオンライン上でスタートした署名は、2月11日の時点で6万3000筆を超えている。
社会部デスクによれば、
「法務省や検察庁は、個別の事件についての署名は直接受け取れないとかたくなでしたが、支援者たちが“組織の問題として捉えてほしい”と交渉を続けて、ようやく1月27日に手渡される運びとなったのです」
署名の主旨は、検察庁と法務省に対しては、北川被告と副検事を厳正に捜査して真相解明を行うこと。裁判所にも、北川被告への長期の実刑判決と、副検事への厳正な処罰を求めている。
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