開幕スタメン有力は? 宗山、西川、怪我で出遅れた金丸、中村…プロ野球大物新人の現在

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野手陣好調「パ・リーグ新人王争いは白熱しそう」

 開幕を前に、すでに野手を中心にパ・リーグの新人への注目度は過熱している。

「新人野手の方は、開幕スタメンへ向けて順調にアピールしている選手が多いです。特に楽天・宗山は実戦デビューとなった2月11日の日本ハムとの練習試合でいきなり、2打数2安打1四球1盗塁の活躍。昨年の遊撃レギュラー・村林一輝内野手と定位置争いをしていますが、怪我さえなければ、1番・遊撃で開幕を迎える可能性が非常に高い。イケメンで人当たりもさわやか。非の打ちどころがありません。あえて短所を探すなら、今のところコメントが優等生過ぎて、メディアにとって面白味がない点くらいでしょうか。

 ロッテの西川も2月28日、韓国ロッテとの練習試合に1番・右翼で出場し、左中間へ初回先頭打者アーチを放ちました。西武2位の渡部聖弥外野手(大商大)もパワフルな打撃と俊足・強肩で目立っていて、貧打で昨年最下位に沈んだ西武では間違いなく貴重な戦力になる。この3人を軸に、今年のパ・リーグの新人王争いは白熱しそうです」(前出の民放プロ野球担当者)

 パ・リーグに比べると地味ではあるものの、セ・リーグも新人の動きは熱い。

「広島1位指名の佐々木泰内野手(青学大)は、ドラフト後の昨年11月に左肩を脱臼した影響で出遅れていましたが、3月1日に1軍合流。1発長打が魅力で、開幕1軍スタメンの可能性はまだ十分あります。巨人の3位指名・荒巻悠内野手(上武大)も1軍キャンプを完走し、左打席からレフトスタンドにもライトスタンドにも放り込めるパワーを披露。守備位置がサードかファーストで、岡本和真内野手や坂本勇人内野手と被るのが残念ですが、代打としてなら開幕から戦力になると思います。投手ではDeNA1位、2位指名の竹田祐投手(三菱重工West)と篠木健太郎投手(法大)、阪神1位指名の伊原陵人投手(NTT西日本)、広島2位指名の佐藤柳之介投手(富士大)の評判が上々です」(スポーツ紙デスク)

故障を抱えた状態でプロ入りしてくる高校生がいる実情

 一方、西武1位指名の遊撃手・齋藤大翔内野手(石川・金沢高)は、1月の新人合同自主トレの段階からスローイングを封印。昨夏も右肩に違和感があり、痛み止めを飲んでプレーしていたことを明かした。キャンプ期間中は専らリハビリ。実は、このように故障を抱えた状態でプロ入りしてくる選手は毎年のようにいる。

「特に高校生は、甲子園に出たいという気持ちが強いですから、手術後間もないとか、かなりの痛みを抱えていたとしても、無理をして大会に臨み、高校野球を終える頃には体がボロボロ──ということが結構あります。球団が承知の上でドラフト指名し、長い目で育てていくなら問題はありませんが、中には怪我を隠したままプロに入ってきて、検査してみて驚かれるケースもあります。そこはスカウトの調査能力の問題でもあるのですが……」(セ・リーグ球団スカウト)

 超体育会系といわれる野球界でも、近年は非科学的な練習方法や根性論が徐々に影をひそめ、怪我のリスクを最大限に避ける雰囲気が醸成されつつある。一方で、育成選手を含めると毎年100人以上の新人が加わり、激しい競争を強いられるプロ野球界で、悠長に構えてはいられないのも確か。しかるべき時期に1軍で実力を発揮する機会を得られればいいのだが……。

(取材・文/喜多山三幸)

デイリー新潮編集部

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