山下智久「正直不動産」が映画化決定も…NHKは連ドラ映画化の“黒歴史”から教訓を見出せるか

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

「ゴールデンコンビ」で臨むが

 俳優の山下智久(39)主演のNHKドラマ「正直不動産」が映画化され、来年公開予定であることが発表された。

 契約をとるためなら嘘をつくこともいとわず、営業成績をあげてきた不動産会社の営業マン、永瀬財地(山下)が、地鎮祭のときに祠を破壊してしまったことで、嘘がつけない体質に変身。ライバル不動産会社とのしのぎを削る闘いに、“正直営業”で立ち向かう奮闘ぶりが描かれている。映画版でも、山下の後輩の若手社員・月下咲良を、連続テレビ小説「舞いあがれ!」(22年)でヒロインを演じた福原遥(26)が演じる。

「最初の放送は、まだコロナ禍だった22年4月から6月。火曜午後10時枠で、平均世帯視聴率は4~5%台と、飛び抜けて高いわけではありませんでした。しかし、劇中で突然、ベラベラと本当のことを客にぶちまけてしまう山下のコミカルさや、客と不動産業者との間にある“情報格差”にスポットを当て、業界の闇に切り込んだことなどから高い評価を得ました。そこで当初は予定がなかったソフト化が実現しています。その後、昨年1月から、シーズン2を放送。全10話の平均世帯視聴率は5.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。高視聴率かと言われたら、やはり微妙なのですが、制作サイドが手応えを感じ、満を持して映画化発表となったようです」(放送担当記者)

 一時期、海外進出を見据えていた山下にとって、国内の映画出演はフジテレビ系のドラマシリーズの劇場版「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」(18年)以来、8年ぶりとなる。同作は同年公開の邦画で、トップの興行収入となる93億円を記録する大ヒット作となった。

 一方の福原は、第二次大戦末期の日本にタイムスリップした女子高校生(福原)と、特攻隊員との時空を超えた切ない恋の物語を描いた、水上恒司(25)とのダブル主演作「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(23年12月公開)が、興収45.5億円となっている。なるほど、この2人をキャスティングすれば……と思いきや、

「『コード・ブルー』は山下さんのほかに、新垣結衣さん(36)や戸田恵梨香さん(36)、比嘉愛未さん(38)ら、主演クラスが脇を固めていました。08年のドラマ版第1作から足かけ10年、登場人物たちの成長を見守ってきた視聴者たちが劇場に足を運んだこともあり大ヒットにつながったと思われます。ちなみに、山下さんは劇中で出動した現場で感電して転落。病院に搬送されたため、上映時間128分のうち、1時間ぐらい出番がありませんでした。また、福原さんの映画で劇場に多く足を運んだのは女子中高生たち。『正直不動産』の視聴者層とはかぶっていません。NHKは何を根拠に、2人がコンビを組んだ映画がイケると思ったのか、謎です」(映画業界関係者)

 公開後、メイキングやインタビューなど、多くの特典を付けてソフト化することも視野に入れてはいるだろうが、やはり興収あってこそ、ではある。

次ページ:NHKが映画製作に乗り出した理由

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。