「実家片づけ」で子どもが親に言ってはいけない”3大禁句”とは? 散らかった家に住む親に片づけを納得させる方法
うそも方便
大事なのは、抽象的にではなく具体的に、わが身に起きるプラスもしくはマイナスを、「身近」に感じてもらうことです。身近であることをイメージできると、期待感、もしくは切迫感が生まれて実際に動き出しやすくなるからです。
そんなに都合良く、身近にサンプルになりそうな人はいないという場合には、“想像上”の人物でも構わないと思います。うそも方便。大事なのは、実家片づけのために親に動き出してもらうことです。そして、実際に実家片づけが済めば親にも快適な生活が待っているわけで、つまりは親のためにもなるのですから、“うそ”をつくことに罪悪感を覚える必要はないと私は思います。
根回しを済ませ、親に納得してもらえたら、いよいよ実家片づけがスタートするわけですが、まず間違いなく直面するのが、次に紹介する親の「三大フレーズ」です。
正義感を振りかざしてはいけない
「もったいない」
「いつか使う」
「置けるから置いている」
日本がまだ貧しかった時代に育った親の世代には「もったいない精神」が根付いています。とにかくモノを捨てることを嫌がるのです。そんな時に、子どもが口にしてはいけない「三大禁句」も存在します。
「いいから捨てて!」
「こんなの使うわけないでしょ!」
「なんでこんなものとってあるの!」
言いたくなる気持ちは分かります。私の父親も、こけしを趣味で集めているのですが、その数があまりにも多く、到底全てをとっておく必要があると私には思えません。あるいは、いつ買ったのかすら分からないフルーツポンチ用のお皿とか、いまどき政治家の事務所くらいにしか置いていないのではないかという大量の湯呑み茶碗とか、「どう考えても今後使わないし、下手したらこれまで一度も使ったことがないんじゃない?」という代物が、実家にいくつもあるという方は少なくないと思います。
それでも、「三大禁句」を口にしてはいけません。なぜなら、それは親を否定し、怒らせるだけだからです。そうなってしまえば、実家片づけは進まず、元も子もありません。目的は親を叱ることではなく、実家片づけを成功させることなのですから、ここはグッとこらえる。というよりも、我慢するとしんどいので受け流す。ゆめゆめ、「親の誤った考え方を正してやる」などと正義感を振りかざしてはいけません。「年を取って判断力が衰えているんだから仕方ないよね」と受け入れ、親の気持ちに寄り添うことが大事です。
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