「実家片づけ」で子どもが親に言ってはいけない”3大禁句”とは? 散らかった家に住む親に片づけを納得させる方法

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 近年、「実家じまい」が話題になっている。高齢の親が住んでいた実家を親の死後に片づける。その困難と苦労が注目されているわけだが、そうなる前に手を打っておくことで、親子双方に大いなる「得」がもたらされるという。そう、「実家片づけ」こそが重要なのだ。【石阪京子/片づけアドバイザー】

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 団塊の世代が全員75歳以上となり、後期高齢者の仲間入りをする「2025年問題」。当の団塊の世代の方たちは、後期高齢者医療制度に切り替わるなどして人生の一つの節目を迎えます。

 しかし、生活の転機を迎えるのは、なにも団塊世代だけではありません。その子ども世代、つまりアラフィフの方たちも、親が75歳になるタイミングをターニングポイントと捉えてもいいのではないかと私は考えています。加齢とともに心身がままならなくなっていく親を持つ子ども世代は、実家に関する「隠された大問題」を背負っているからです。

相談件数が約10倍に

 片づけアドバイザーとして、私はこれまで多くのお宅の片づけをサポートさせていただいてきましたが、ここ10年で、離れて暮らす親の家の片づけ、つまり「実家片づけ」に関する相談件数が約10倍に急増している印象を持っています。実際、親が元気なうちに実家片づけをやっておかないと、子ども世代は大変困った事態に遭遇してしまうのです。

 実家で介護しようとしても、散らかっていてそのスペースを確保できない。実家を売って高齢者施設の入居費用に充てようとしていたのに、親が認知症になり「財産凍結」されて売ろうにも売れない。親が亡くなってしまい通帳がどこにあるか分からない……。

 実家片づけを済ませておかないと、雑然とした家で不便に暮らす親にも、そして子どもにも、このような不幸が襲いかかってくるのです。いまは何の問題もなく過ごせていたとしても、この不幸はいずれ必ず顕在化します。実家片づけをしていない方は、いわば「巨大な時限爆弾」を抱えながら生きているに等しいのです。

社会問題になりつつある実家片づけ

〈こう警鐘を鳴らすのは、片づけアドバイザーの石阪京子氏だ。

 心理カウンセラーの資格を持ち、片づけの「技術」だけではなく、いかに片づけるモチベーションを高めるかという「マインド」まで含めてアドバイスをしてきた石阪氏は、これまで1500軒を超す家の片づけをサポートし、NHKの「あさイチ」などへの出演経験もある「片づけのプロ」である。

 そんな石阪氏が近年、大きな「社会問題」になりつつあるのではないかと感じているのが実家片づけだ。

 以下は、その名もズバリ、『実家片づけ』(ダイヤモンド社)の著書がある石阪氏による、実家片づけのススメだ。〉

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