「マクロス」「ウルトラマン」への思いを語る「シンガポールの鬼才」 完成まで12年の「ロボットアクション映画」がリベンジ公開中

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東京コミコンに出展

 こうして完成した映画は、2023年11月17日に日本で世界初公開された。しかし、その公開には大きな失望があった。

「息子を連れて来日しましたが、上映館は全国7館のみ。しかも上映時間が夜遅く、16歳の息子は観ることができませんでした。昼間に見られるのは、東京から2時間かかる茨城県つくば市の映画館だけ。息子は『12年待ったのだから、2時間くらい何でもないよ』と言ってくれました。しかし、映画館にはポスターの掲示もなく、観客もまばらでした」

 しかし、ホー監督は決して諦めなかった。翌12月に東京コミコンで「メカバース」のブースを出展。これがイオンシネマ関係者の目に留まり、全国50館での異例のリベンジ上映が決定した。それにしても、日本での公開にこだわる理由は何か。

「世界中の人に観てもらいたいですが、日本は特別な存在です。なぜなら、メカロボットという文化が誕生し、発展してきたのが日本だからです。少年時代、『マクロス』が大好きで、『ウルトラマン』のメカのファンでした。貸本屋では『ドラゴンボール』も夢中で読んでいましたから」。この熱い思い、諦めない心が今度こそ、日本のロボットファンに届くか。

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