対照的な補強策「巨人」と「阪神」の今季はどうなる? 両チームで“4番を打った”レジェンドが「打線が機能すれば、阪神の優勝は間違いない」と断じる理由

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巨人の優勝可能性は?

 昨年の巨人は4月と5月が2位。6月は失速して3位。7月は首位だったが、8月は2位──とアップダウンを繰り返した。巨人ファンにとっては優勝がかかっていただけに、心臓に悪いシーズンだったに違いない。

「去年の巨人は阿部監督の一喜一憂が印象に残りましたが、今年も似た展開になるのではないでしょうか。巨人は『ここの点はどのチームよりも強い』というポイントに欠けます。投手陣は菅野くんの抜けた穴を埋められていませんし、打撃陣は坂本勇人くん(36)と丸佳浩くん(35)の2人が年齢に難があります。今の巨人はベテランと若手のバランスが、それほど良くはないのです。さらに門脇誠くん(24)の活躍は期待できても、岡本和真くん(28)には不安材料がある点も見過ごせません。とは言ってもAクラス入りの可能性は高く、CSには出場できるでしょう。しかし優勝できるかどうかとなると分かりません」(同・広澤氏)

 積極的な補強は見送った阪神について広澤氏は、「もともと完成度の高いチームですから、大がかりな補強の必要はないという判断は正しいと思います」と言う。

阪神の投手陣は盤石

「昨シーズンは9月の時点でも阪神優勝を信じていたファンは多かったのではないでしょうか。実際、巨人が勝って優勝したのではなく、阪神が負けて巨人が優勝したのです。昨年の阪神は大山くん、佐藤輝明くん(25)、森下翔太くん(24)の3人が二軍での再調整を経験しました。クリーンナップを打つ3人が二軍行きというのはプロ野球の長い歴史でも珍しいでしょう。しかも原因はキャンプ時に首脳陣と3選手のコミュニケーションが不足していたからで、今シーズンはそんなことは起きないはずです」(同・広澤氏)

 広澤氏は巨人を「この点はどのチームより強い」というポイントに欠けていると指摘した。一方、阪神の場合は投手力が抜きんでているという。

「阪神の投手陣は盤石です。これに打線が機能すれば、阪神の優勝は間違いないと考えています。ただ不安な点がないわけでもありません。キャンプを見ましたが、あまりに選手が楽しそうなのです(笑)。確かに岡田彰布さん(67)が監督だった時は厳しすぎましたが、藤川球児新監督(44)は少し優しすぎるかもしれません。もちろんプロの選手ですから真面目に練習していますが、厳しさと優しさのバランスが極端に振れているのが気になります」

註:【巨人】マルティネス、甲斐拓也で総額64億円補強 田中将大は1.6億円/入団&退団一覧(日刊スポーツ電子版・1月26日)

デイリー新潮編集部

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