「月15万円稼いでいればよい方」「高齢者は引きこもって生活」 日本で暮らすウクライナ避難民のリアル 「支援への熱は冷めきっている」

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「仕事が見つからず、ひたすら家でじっとしている」

 高齢の父親、アナトリーさんは苦境をこう嘆くのだ。

「いまは仕事が見つからず、日本語の勉強ぐらいしかすることがありません。たまに歩いてスーパーに行く以外は、ひたすら家でじっとしている毎日です。以前のように船のエンジニアの仕事に就きたいので、横浜方面へ移ることも考えている。ただ、横浜市は避難民の新規受け入れを止めてしまったし、私には引っ越しに払うお金がない。そこに希望する仕事があるのかどうかも分かりません」

 現状では故国の家族を呼び寄せることもできない。生活のめどが立たないことが、なおさら避難民を不安にさせるのだ。

 それでもドミトリーさんの場合は定職に就くことができた。しかし、アルバイト的な仕事しか選べない人もいる。

 後編【「自殺したくて堪らず、抗うつ剤を…」 日本で暮らすウクライナ避難民の苦境 「会社で働くのは難しく、外国人パブで週6日勤務」】では、苦境の中で自殺を考える若者などにインタビューしている。

週刊新潮 2025年2月27日号掲載

特集「ロシアの侵攻から3年 自殺を考えた若者も…日本で暮らすウクライナ避難民『2000人』の苦境」より

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