「スーパーのレシートを見て愕然…」キャベツは10年前の2・4倍に 専門家は「今後も物価の高止まりを覚悟したほうがいい」と警告
物価高の処方箋
「人手不足など国内の要因も認められますが、海外の要因も大きな影響を与えています。もともと資源や穀物の争奪戦が世界中で展開されていましたが、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻してインフレは決定的になりました。全世界からモノを輸入している日本の企業は為替リスクを回避するため、1年や半年という長期契約で購入しています。にもかかわらず、価格上昇が続いているわけです。今後も物価は高止まりすると覚悟したほうがいいでしょうし、最悪の場合はさらに上昇するかもしれません。為替レートが劇的な円高にでもならない限り、物価下落の可能性は低いでしょう」
どうやら今後も庶民は物価高に苦しめられるようだ。何か処方箋はないのかと考えてしまうが、荻原さんは「あります」と言う。
「物価高対策に関しては、国民民主党の主張が全面的に正しいでしょう。年収103万円の壁を178万円まで引き上げるという政策案と、ガソリン税の暫定税率を廃止するという政策案です。物価高で国民は財布のヒモを締めており、買い控えに悩まされている小売店は少なくありません。壁の引き上げが実施されれば多くの人の手取りが増えます。また日本では自家用車がないと生活できない地域のほうが多いのです。後者が実現すればガソリン代が安くなりますから、食費や光熱費で圧迫されている地方の家庭は、ほっと一息つけるでしょう」
財務省の「ダブルスタンダード」
ちなみに自民党と公明党は壁の160万円の引き上げと、対象を年収850万円以下とする対案を示した。一部の専門家は「自公案は低所得者対策の要素が強い」と指摘している。
国民民主の案に年収制限は存在しない。広範な国民に生活の余裕を生む可能性があり、消費意欲の復活が期待できる。
「物価が高くなると、消費税の税収も増えます。日本の税収は6年連続で史上最高を更新しています。国民が物価高で苦しむ中、政府は税収の伸びを享受するというのはいびつな状態でしょう。国民民主党が壁の見直しを提案すると、与党の自民党も財務省も『財源がない』と強く反発しました。ところが防衛費を増額する時は自民党も財務省も反対を唱えません。完全なダブルスタンダードであるのは明白で、国民民主の案を実現することは不可能ではないのです」(同・荻原さん)
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