今季が正念場…“崖っぷち選手”は生き残れるか? 「巨人小林の“市場価値”は低くはない」と他球団の編成担当者

スポーツ 野球

  • ブックマーク

 プロ野球のオープン戦がスタートし、開幕に向けて各球団戦力の絞り込みに入る時期となった。どの球団も即戦力が期待されるルーキー、FAやトレードで移籍した選手、新外国人選手といった新戦力に関する話題が多い一方で、実績はありながら、立場が危うくなっている選手も少なくない。そんな今季が正念場になりそうな選手と、生き残るために重要なポイントについて探ってみたい。【西尾典文/野球ライター】

 ***

一度レギュラーとして活躍した捕手は重宝されることが多いと言うが…

 セ・リーグで、まず名前が挙がるのが、小林誠司(巨人)だ。2017年のWBCでは正捕手を務め、このシーズンはゴールデングラブ賞に輝くなど、長くチームの中心捕手として活躍してきたが、2020年以降、出場機会が減少した。

 昨年は菅野智之(現・オリオールズ)が先発する際の「専属捕手」として存在感を示したが、打率は.152と寂しい数字に終わり、その菅野もメジャーに移籍している。さらに、オフにチームは正捕手候補として甲斐拓也をFAで獲得。捕手には、大城卓三や岸田行倫がいることを考えると、今季は、小林が一軍のベンチに入れるかも微妙な状態となっているのだ。まさに、“崖っぷちのシーズン”となりそうだが、それでも小林の「市場価値」は低くないという声もある。

 他球団の編成担当者はこう話す。

「キャッチャーは、レギュラーを獲得することが最も難しいポジションですが、一度レギュラークラスで活躍した選手は、重宝されやすいことも確かです。小林は、実績でいえば、現役選手の中でも間違いなく上位ですね。(正捕手に)何かあった時に、小林のようなキャッチャーがいると助かりますよね。巨人では、なかなか出番はなくても、他球団でキャッチャーが足りないということになったら、トレードを打診してくることも十分に考えられます。小林の意向は、分かりませんが、求められる球団に移籍して戦力となることも十分に考えられるのではないでしょうか」

 実際、巨人で小林とともにプレーしていた炭谷銀仁朗(西武)は2021年のシーズン途中に金銭トレードで楽天に移籍し、昨季からは古巣の西武に戻って長く現役を続けている。

 また、正捕手の佐藤都志也が、春季キャンプで離脱したロッテは、社会人時代に過去2年間、ファーストでプレーしていたドラフト6位ルーキーの立松由宇が捕手に挑戦している。捕手不足に陥った球団が小林を調査することも十分考えられるだろう。

次ページ:中田は手薄になったファーストでレギュラーを獲得できるのか

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。