グローブなしで顔面を殴りうずくまった練習相手に「休むな!」 傷害容疑で書類送検された現役K-1王者・金子晃大の「新たな暴行動画」を独占入手

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疑惑発覚後も試合に出場し続けていた金子

 あれから半年。久しぶりに連絡を取ったAさんの声は軽やかだった。理由は金子が厳重処分の意見付きで書類送検されたからだ。

「先日、検察にも呼ばれて話をしてきましたが、ようやく裁きが下されるのではないかと期待しています」(Aさん)

 だがここに至るまでは苦しい生活を強いられてきたと語った。記事が出た後も金子が以前と変わらず選手活動を継続していたからだった。

 金子はデイリー新潮の取材に、21年10月、Aさんの顎に手術しなければならないほどの大怪我を負わせたことは認めたが「練習中の事故で故意ではない」と主張。Aさんが提供した「暴行後の自撮り画像」についても、「彼は他のジムにも通っていたので、他で負った傷だと思う」などと全面否定した。アルバイト代の上納についても「一度もない」と否定し、逆にAさんから立替金の未返済分があると反論した。

 この主張をK-1運営側は受け入れ、記事配信後も金子を試合に出場させ続けていたのである。

「金子が私にやってきたことは格闘家としてはあり得ないことです。運営が戦績を抹消し、ベルトを剥奪してくれると思っていた。しかし、K-1には完全に裏切られました」(同)

リング上でAさんを貶すような発言をしていた金子

 金子は試合に勝ち続け、2月9日には3度目のタイトル防衛戦も制した。

「勝つたびに彼が偉そうにマイクを握って『僕は格闘技に対して裏切ったつもりはない』などと綺麗事を言っているのを耳にするのがつらかった。3度目のタイトル防衛戦を制した後もふざけたことを言っていて…」(同)

 下記はその時金子が言ったセリフだ。

〈やっていく中での道のりで足を引っ張っていく人も中にはいるんですが、そういう人の足を引っ張った分だけ、人は自分も落ちていくと思うし。それをする覚悟を持ってやれよと思う〉

 Aさんを指して言っているように聞こえる文言である。

「私はこれまで一度たりとも金子から謝罪を受けていないのです。金を返さないばかりか逆に請求され、どれだけ悔しい思いをしたことか…。先月も彼にやられた顎のプレートを取る手術をしたばかりで、当然、かかった費用も自腹です。こんな状況に追い込まれながら、なぜ私はこんな言われ方をされ、しかもそれをネットニュースなどで目にしなければならないのでしょうか」(同)

 周囲からは「もう忘れて前を進んだ方がいい」という進言もあったが、Aさんは金子に“罰が下る”まで戦い続けることを決心した。そして昨年10月、関係者から新たな「暴行動画」を入手することに成功した。

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