“しれっと入る人工甘味料”問題… 新発売「ペプシの原液」はペプシコーラの味と違う

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しかし人工甘味料が入っている…

 最初に説明した通り、ペプシコーラの原液も含め「おうちドリンクバー」シリーズの全てに、人工甘味料が使用されています。現在、日本で発売されているノーマルペプシに使用されている甘味料は、砂糖と果糖ぶどう糖液糖の混合です。しかしこの原液タイプにはそれに加え、アセスルファムKとスクラロースが添加されています。これらは「ゼロカロリー」と謳う清涼飲料水によく入っている人工甘味料です。

 つまりこのペプシコーラの原液は、「ノーマルペプシ」と「ゼロカロリーペプシ」の丁度中間のような位置づけとなります。適正に原液を希釈した場合、カロリーはノーマルペプシの約6割となります。良く言えば「ハイブリッドでローカロリー」ですが、多くの方々はペプシコーラ原液の発売を耳にした際、ノーマルペプシの原液が発売されることを想像したのではないでしょうか。

 味覚は人それぞれですが、「砂糖などの天然甘味料より人工甘味料の方が不味い」という評価が一般的です。甘さや風味も独特で、場合によっては苦みを感じ、お腹が緩くなるという方もいらっしゃいます。私は人工甘味料入りの飲み物も美味しく飲めますが、天然甘味料と人工甘味料が混ざったものは若干苦手です。

 私の評価としては、このシロップを、さも市販のノーマルペプシの濃縮液と誤解させるような形で販売するかのようで好きではありません。また、その味についてもノーマルペプシの後味に雑味が加わるような形となり、残念なものになってしまっています。

海外にもあるシロップのペプシ

 さて、ペプシコーラの原液に関するサントリーのニュースリリースのタイトルに、「日本初!あの“ペプシ”の原液タイプが登場」とあります。なぜ「日本初」なのかというと、欧米を中心として、海外では既に販売されているからです。今回、アメリカで販売されているものを入手しました。

 日本のものと形状が違いますが容量は440ml。ラベルの真ん中には家庭用炭酸装置として有名で、米ペプシコの子会社でもあるソーダストリーム社のロゴが印刷されています。更にその下には「MAKES ABOUT 9L」と書かれており、これ1本で9リットルのペプシコーラを作ることができます。日本のものは5倍希釈ですが、こちらはなんと20倍希釈です。

 また、ソーダストリームで作ることを基本設計にしているためか、シロップ容器のキャップはひっくり返すと液体洗剤のキャップのような計量カップになります。このキャップの目盛りの通りシロップを入れれば理想的な濃さのペプシコーラが完成するので、この機能が日本のものにもあれば良かったなと思います。

 しかし残念ながら、この米本国のペプシコーラの原液に関しても、人工甘味料が入っています。更に、カロリーはノーマルペプシの約2・5割となります。先述の通り日本のものは約6割ですので、まだ日本市場向けの原液の方が健闘していると言えます。私が調べる限り欧州各国でもそうなので、ペプシの原液に関しては人工甘味料入りが世界的にスタンダートなのです。

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