“しれっと入る人工甘味料”問題… 新発売「ペプシの原液」はペプシコーラの味と違う
「ペプシの原液」が発売……と聞いて、多くの人が「好みの濃さで、あの味を楽しめる」と期待したはず。だが、実際はそうはいかなかった。専門サイト「コーラ倶楽部」代表であり、「マツコの知らない世界」(TBS)ではクラフトコーラの世界を紹介した空水りょーすけ氏が、このペプシ原液を徹底レビューするとともに、清涼飲料市場の今を考える。
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【写真】ペプシの原液に使われている人工甘味料の種類は…気にならない「おすすめの飲み方」 もご紹介
先月末、日本で「ペプシコーラの原液」が家庭用に発売されると私が知った際、X(旧Twitter)でペプシの原液について呟いている方が他におらず、結果私のポストは多くの方々に拡散されました。それだけペプシコーラの原液の登場は衝撃的で、歓迎される出来事だったのだと思います。
しかしこの原液には、ノーマル(有糖)のペプシコーラには入っていない「人工甘味料」が添加されています。私を含め、このことに落胆された方も多かったのではないでしょうか。つまり、こちらを炭酸水で伸ばしたとしても、皆さんの知るペプシコーラの味にはなりません。そして最近は、ゼロカロリーと謳わない飲料にも、“しれっと”人工甘味料を入れる事例が増えてきているように感じます。
今回はこのペプシコーラの原液について解説しながら、現在の日本の清涼飲料水のあり方についても考えていきたいと思います。なお予め申しておきますが、私は人工甘味料が苦手ではありませんし、この記事は「人工甘味料=悪」と断ずるようなものでもありません。しかし、人工甘味料が苦手な方が口にされないよう、棲み分けが必要であると考えています。
“1.7リットルのペプシコーラ”を作れる「原液」とは
ペプシコーラの原液は、その正式名称を「おうちドリンクバー ペプシコーラ」といい、2025年2月18日にサントリー食品インターナショナル(株)より発売されました。ペプシコーラは言わずと知れた米ペプシコの超人気炭酸飲料ブランドであり、日本ではサントリーが製品の企画や営業、製造販売などを一挙に引き受けています。
また「おうちドリンクバー」とは、2024年4月よりサントリーが展開している濃縮タイプの飲料ブランドで、ドリンクバーのような体験を自宅でも手軽に楽しめることがコンセプトです。現在「POPメロンソーダ」「C.C.レモン」「デカビタC」の3種が展開され、このラインナップに新たにペプシコーラが加わることになったのです。
四角いペットボトルに入ったシロップの容量は340mlで、ラベルには「約10杯分」と書かれています。ここでいう1杯とは170mlのため、これ1本で1.7リットルのペプシコーラになります。もちろん濃さも自由に調整できるため、自分好みのペプシコーラを作ることができ、それが本商品の大きな魅力です。
希望小売価格は税込360円ですが、近所のスーパーでは235円で売っていました。比較が難しいですが、例えばファミリーマート限定の600mlのペプシコーラは、税込140円です。また、個人的には1.5リットルペットボトルを200円台で見かけることも多く、炭酸水が別途必要なシロップタイプが特別安いわけではありません。そのため、炭酸水で適正に割る以外の楽しみを見出せる方でないと、敢えてこのシロップを購入する理由は無いかと思います。
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