バンコクのスーパーでは「チョコモナカジャンボが500円超」…「円安バーツ高」で一変した「タイ旅行」の実態

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東南アジアも物価高

 ここ何年間か「ロサンゼルスの空港でサンドイッチとコーヒーを頼んだら3000円だったことに驚き」やら、「ロンドンでラーメン一杯5000円だった」といった芸能人のSNSを基にしたコタツ記事が花盛り。その時に「日本にいて良かった」といった感想に加え「もう海外には行けないな」という嘆きの声も出ている。

 これはあくまでも欧米の先進国の話だと思っていたのだが、東南アジアにもその波は忍び寄っている。そして、日本でもラーメン1杯1000円台はよく見かけるようになっているし、今シーズンはキャベツ一玉580円でお好み焼き店とトンカツ店悲鳴! といったニュースもあった。一度値上がりしたものはなかなか戻らないもの。4月までに6000品目値上げ、と冒頭で述べたが、2025年中に20000品目値上げ、といった事態になるかもしれない。

 それはそれでもう仕方がない。低成長国の人間であろうとも、燃料費の高騰や人件費を上げざるを得ない状況では受け入れるしかなかろう。安過ぎる時代が恵まれていただけだ、と思わないと、もはや買い物すらできない。

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973(昭和48)年東京都生まれ、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者。博報堂で企業のPR業務に携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者等を経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『よくも言ってくれたよな』。最新刊は『過剰反応な人たち』(新潮新書)。

デイリー新潮編集部

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