農水省の「コメ不足」説明は「役人的なウソ」! 米価を下げる改革を阻む「農政トライアングル」とは

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「仕事放棄も同然」

「コメ不足の原因は事実上の減反政策を続けてきたことなのに、農水省は業者がため込んでいる、などと言って責任転嫁をしている。仕事放棄も同然です」

 と、先の奥野氏は言う。

「コメの生産量を増やさない限り、今後いつまた同じことが起こってもおかしくありません。それは今年かもしれないし、来年かもしれない。そもそもスーパーに行けば日本産の良質なコメが買える今の状況自体、近い将来には当たり前ではなくなるでしょう」

 自らが国のかじ取りを担っている時に得意分野である農業問題が焦点となったことを石破首相はどう考えているのだろう。「農政トライアングル」に斬り込む姿勢を見せれば、支持率が“10ポイントくらい上がる”のも夢ではないかもしれない。

 前編【21万トンの米はどこに消えた? 備蓄米を放出しても「適正価格に落ち着くまで2年近くかかる可能性も」】では、備蓄米放出がコメ価格に与える影響について、専門家の分析を紹介している。

週刊新潮 2025年2月27日号掲載

特集「ようやく備蓄米21万トン放出 国民を苦しめるコメ不足『本当の元凶』」より

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