農水省の「コメ不足」説明は「役人的なウソ」! 米価を下げる改革を阻む「農政トライアングル」とは
「減反をやめてコメの増産を」
2018年度には安倍晋三元首相が「減反政策は廃止した」と主張したが、
「これは『生産数量目標』の通知をやめただけで、飼料用米などへの転作補助金はむしろ強化されました。しかも農水省が新たにコメの適正生産量を公表し、それに基づいてJAや自治体が農家に生産量を指導しているので、実質的な生産調整は続いているのです」(山下氏)
安価なコメを安定的に供給するためには、
「減反をやめてコメを増産し、EUなどで行われている、直接支払いで主業農家だけには所得補償をすればいいと思います」
山下氏はそう語る。
米価をより下げる方法は
「サラリーマンとしての収入で生計を立てている兼業農家は補償の対象にする必要はなく、主業農家に限って直接補助金を出すと、年間1500億円で済みます。これによってコメの価格は下がります。また、国の財政面で見ても、現在は減反補償金に3500億円もかかっているのを、2000億円分削減することができます」(山下氏)
さらに、零細な兼業農家たちがその農地を主業農家に貸し出せば、
「地代収入を得られます。主業農家側も規模が拡大してコストが下がり、収益性が上がるというメリットがあります。長期的には規模拡大によって米価はより下がります」(同)
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