米ゴルフ界の重鎮が次々と「ホワイトハウス詣で」…トランプ大統領が「救世主」と期待される理由とは

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トランプ氏が作る波はプラスかその逆か

 しかし、ゴルフ界の主要な団体は、米国のPGAツアーもUSGAもPGAオブ・アメリカも、欧州のR&Aも、こぞってトランプ氏の所有コースでの大会開催を見合わせる決定を出した。その結果、トランプ氏の所有コースはゴルフ界の日の当たる場所から締め出される形になった。

 だが今は、逆に多くの団体やそのリーダーたちが、トランプ大統領に吸い寄せられ、救世主のように頼っている。

 どちらも一気に起こった波のような動きで、そのウェーブがゴルフ界にとってプラスになる結果をもたらしてくれるのなら、言うことはない。ビッグウェーブを起こしているトランプ大統領には、プラスの波を起こす力があるのではないかという期待が高まっていることは頷ける。

 しかし、すべては未知数であり、その逆のうねりが起こらない保証はどこにもない。だからこそ、笑顔を輝かせているモナハン会長を目にするにつけ、外野としては少々不安も覚える。

 一時的な波に飲まれたり流されたりするのではなく、慎重に見極めて歩むことこそが、今、ゴルフ界のリーダーたちに求められる大事な一歩なのではないだろうか。

舩越園子(ふなこし・そのこ)
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒。1993年に渡米し、在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『才能は有限努力は無限 松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。1995年以来のタイガー・ウッズ取材の集大成となる最新刊『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)が好評発売中。

デイリー新潮編集部

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