米ゴルフ界の重鎮が次々と「ホワイトハウス詣で」…トランプ大統領が「救世主」と期待される理由とは

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トランプ氏の下に集まるゴルフ界のトップたち

 トランプ大統領とモナハン会長が、「ワンツアーの下でゴルフがオペレートされることがゴール」であると確認したことが報じられると、今年1月にリブゴルフのトップに就任したばかりのスコット・オニール新CEOも「ずっと閉じられた状態にあるリブゴルフ選手のためのチャンスの扉を、どうかフェアに開いてほしい。『ワンツアー』の下でフェアにプレーできる機会を保証してほしい」と語り、トランプ大統領頼みの解決に期待を寄せている様子を見せた。

 それから2週間後の2月20日には、トランプ大統領の下に、さらに多くのゴルフ界のリーダーたちが集まり、再びミーティングが開かれた。

 今回はPGAツアーのモナハン会長の傍らには、選手理事であるタイガー・ウッズの姿があり、前回同様、スコットも伴っていた。リブゴルフ側からはPIFのヤセル・ルマイヤン会長が出席。文字通り、トップ中のトップばかりの会談となった。

 ミーティング終了後、米メディアから会合の内容や成果を問われたモナハン会長は「ワンツアーの下で、世界のトッププレーヤーが同じ舞台で戦う機会を増やすための再統合について討議した。とても建設的な内容だった」と答え、今回もご満悦の様子だったそうだ。

トランプ氏がゴルフ界で総スカンを食らった過去

 すでに「ワンツアー」という言葉が独り歩きしているが、「アンダー ワンツアー」と記されているところが重要ポイント。これはPGAツアーとリブゴルフが合体して巨大な1つのツアーになることを意味しているのではなく、「ワンツアーの指揮の下で、PGAツアーとリブゴルフがそれぞれにツアーを運営していく」という体制を意味しているのだと私は思う。

 その方向性であれば、どちらのツアーも大幅な改造などを経ることなく存続することが可能になり、それぞれの選手たちへの影響や変化も最小限に抑えられるだろう。

 最大の課題は、それらの指揮を執る「ワンツアー」を、どうやって構成・編成するかだが、モナハン会長いわく、「トランプ大統領はゴルフ界に関する知識や情報が豊富で、あらゆることを把握している。そして、とてもクリアなピクチャーをすでに描いている」。

 明確で詳細な未来図を描いているトランプ大統領に絶大な信頼を置いているモナハン会長を見るにつけ、かつてトランプ氏の人種差別的発言などが問題視されて、ゴルフ界から総スカンを食らった時代のことが、にわかに思い出された。

 当時、トランプ氏は自身が所有するゴルフクラブで男子のメジャー大会を開催することを本気で目指し、そのために世界の名コースを次々に手に入れていた。

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