米ゴルフ界の重鎮が次々と「ホワイトハウス詣で」…トランプ大統領が「救世主」と期待される理由とは
ゴルフ界にも及ぶトランプ大統領の影響力
ドナルド・トランプ氏は昨年、大統領選に臨んでいた段階から、PGAツアーと、リブゴルフを支援しているサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」との統合交渉を「15分で解決する」と宣言していた。
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大統領就任後、さまざまな分野で連日のように「ビッグニュース」を提供している現在のトランプ氏は多忙をきわめている様子だが、揺れ続けるゴルフ界のリーダーたちは、みな強力な磁石によって吸い寄せられるかのようにワシントンD.C.へ向かい、ホワイトハウスに足を運んでいる。
トランプ大統領とPGAツアーのジェイ・モナハン会長が直接向き合ったトップ会談は、2月に2度も続けざまに開かれた。詳細は明かされてはいないものの、「何か」が進行していることは確かだ。
そう言えばつい先日は、屈指のロングヒッターとして知られるメジャー2勝のリブゴルフ選手、ダスティン・ジョンソンと18年間ともに歩んできたテーラーメイドが、彼との契約を更新せず、2024年いっぱいで終了していたことがわかり、ゴルフ界が騒然となったばかりだ。だが、その直後には、それ以上に衝撃的なニュースも飛び込んできた。
ジョンソンを手放したばかりのテーラーメイドが、トランプ大統領の孫の中で最年長となる17歳の高校生、カイ・トランプとフル契約を結んだことが、カイ自身のSNSから発信され、米ゴルフ界はさらに騒然となった。
今後、ゴルフ界にもたらされるトランプ大統領の影響力は、どこまで膨らみ、どんな解決策が見出されるのか。期待と不安が交錯している。
トランプ大統領との会合を熱っぽく語ったPGA会長
2月4日、PGAツアーのモナハン会長は選手理事のアダム・スコットを伴ってワシントンD.C.のホワイトハウスを訪れた。トランプ大統領との直接のミーティングでは、PIFとの統合交渉がなかなかまとまらない現状をどうやって打破し、解決していけばいいのかを相談した。
そして、モナハン会長は翌週、ザ・ジェネシス招待の会場で米メディアと向き合い、トランプ大統領との会合の成果を自信たっぷりに、こう語ったという。
「とても建設的な訪問になった。トランプ大統領がどれほどゴルフに情熱を抱いているか。それはメディアの方々なら、すでにご存じのことだろう」
そう前置きした上で、モナハン会長はトランプ大統領との会合の内容の一部を、こんなふうに明かした。
「トランプ大統領が『ゴルフ界が目指すべきゴールだ』と公言した内容を、どうしたら実現できるのかを話し合った。そして、『ワンツアー』の下でゴルフというゲームがオペレートされることこそがゴールであると、お互いに確認し合うことができ、とても建設的な会話になった。私が今、熱狂的と言えるほど前向きになっていることを、みなさんにも感じ取っていただきたい」
その場に居合わせた米国人記者は「あんなに自信満々でうれしそうなモナハン会長を初めて見た」と驚きまじりに話してくれた。
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