「“死にたい”と思って富士の樹海に」 書類送検されたK-1王者・金子晃大、元練習生が告発していた壮絶暴力 「暴力で脅され日払いバイトの稼ぎを上納させられた」

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【前後編の後編/前編からの続き】

 千葉県警が今年1月、K-1のスーパーバンタム級現役王者である金子晃大選手(28)を傷害容疑で書類送検していたことがわかった。厳重処分を求める意見付きだった。昨年8月、被害を受けた男性は「デイリー新潮」の取材に、金子選手から日常的に暴力で支配され、日払いバイトの稼ぎまで上納させられていたと証言していた。最後は自殺を決意し、一人で富士の樹海に向かうほど精神的に追い込まれたというのだ。

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(以下、2024年8月24日配信の「デイリー新潮」記事を元に加筆・再構成しています。肩書や年齢などは当時のままです)

「容赦なく練習が続いた」と訴えるAさん

 キックボクシングの元アマチュア練習生だったAさん(30代前半)は、2021年10月、K-1チャンピオンの金子晃大(27)と2人きりで練習中に顎と鼻の骨を骨折する大怪我を負った。その際「練習にかこつけた暴行」を受けたとして、今年4月、千葉県警習志野警察署に提出したのである。

 被害届は受理され、今月、金子は同署から任意の事情聴取を受けた。前編では金子がこの怪我について「故意ではなく練習中の事故だった」「その後も一緒に練習していたのになぜ3年前の話を持ち出すのかわからない」などと反論しているところまでを伝えた。(前編【「人間サンドバッグ扱いされ、顎と鼻の骨を折られた」 書類送検されたK-1王者・金子晃大、元練習生が告発していた壮絶暴力】を参照)。

 後編ではAさんが大怪我を負った後にあった出来事について、双方の言い分を聞いていく。

 Aさんは、退院後も「練習にかこつけた暴行」は変わらず続いたと話す。

「金子はどんどんエスカレートしていきました。攻撃を腕で防ごうとすると『腕どかせよ、邪魔だろ! ぶっ殺すぞ!』と怒鳴られる。通常、三日月蹴りは危険なので寸止めするものですが、彼は容赦無く私の頭部や腹部に食らわせました。腫れた耳を保護するために巻いていたタオルも気に食わないと『取れ』と命じられ、思いっきりパンチ・キックを受け続けた結果、耳は潰れてしまった。意識が朦朧としてこのまま死ぬかもと思ったことは一度や二度ではありません」

次ページ:パンチやキックの効果を試す「実験台にさせられた」

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