「人間サンドバッグ扱いされ、顎と鼻の骨を折られた」 書類送検されたK-1王者・金子晃大、元練習生が告発していた壮絶暴力

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【全2回(前編/後編)の前編】

 2月27日、朝日新聞の社会面に〈K-1王者 書類送検〉とのタイトルが躍った。千葉県警が今年1月、K-1のスーパーバンタム級現役王者である金子晃大選手(28)を傷害容疑で書類送検していたことを報じた記事だった。昨年8月、被害を受けた男性の訴えを最初に取り上げたのは「デイリー新潮」である。あれから半年の月日を経て、とうとう男性の訴えが事件化される可能性が出てきたのだ。

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 今回、厳重処分の意見付きで金子選手が書類送検された傷害容疑は、2023年1月2日に、千葉県千葉市内の格闘技ジムで練習中、防具をつけていないAさんの顔面をグローブなしで殴って怪我させたというもの。

 朝日の記事によれば送検は今年1月16日付。〈起訴を求める、厳重処分の意見を付けた〉とある。

「“厳重処分”は警察が起訴相当と判断した際につけるものです」(社会部記者)

 はたして検察はどのような判断を下すのか。改めてAさんの「告発」と金子選手の「反論」を改めて振り返ってみたい。

(以下、2024年8月24日配信の「デイリー新潮」記事を元に加筆・再構成しています。肩書や年齢などは当時のままです)

「息子はあの男と出会ったばかりに精神もボロボロに」

 K-1の現役チャンピオンに穏やかならぬ話である。練習仲間だったアマチュアの元キックボクシング選手が「3年前、練習中に一方的に暴行され、鼻と顎を骨折させられた」と警察に訴え出たのだ。チャンピオンは取材に「故意ではなく練習中の事故だった」などと反論している。

「格闘家の拳は凶器です。こんな練習が許されていいはずがない。まさに顔面崩壊です。息子はあの男と出会ったばかりに精神もボロボロになって変わり果てて帰ってきた」

 父親は開口一番こう怒りをぶちまけた。今年4月、アマチュアのキックボクシング選手だったAさん(30代前半)は父親に伴われて取材に現れた。2人が見せてくれた十数枚の写真は度肝を抜くものだった。

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