「若手有望株1位」選出でも「佐々木朗希」に気になるデータ…MLB「25歳未満」日本人投手のシーズン最多勝利はわずか「4勝」だった

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佐々木朗希は開幕第2戦の先発に内定

 昨年3月の韓国・ソウルシリーズに続き、今季のメジャーリーグもアジアで幕を開ける。来月18~19日に東京ドームで開催される注目の東京シリーズだ。
【八木遊/スポーツライター】

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佐々木朗希は開幕第2戦の先発に内定

 2025年の開幕カードはドジャースとカブスの2連戦。両チームには合計5人もの日本人選手が所属するが、おそらく全員が出場機会を得ることになるだろう。

 開幕戦の先発マウンドには山本由伸(ドジャース)と今永昇太(カブス)が上がる。ともにメジャーで2年目を迎えるが、ルーキーとしてより大きなインパクトを残したのは今永の方だった。

 今永は昨季開幕から快刀乱麻の投球を続け、チームに貢献。最終的に15勝3敗、防御率2.91の好成績で、サイヤング賞投票でナ・リーグ5位と健闘した。

 一方の山本も昨季の防御率は3.00。今永と大差なかったが、ケガもあって18試合の登板に終わった。結局、7勝(2敗)は今永の半分にも届かなかったものの、ポストシーズンで2勝を挙げ、チームの世界一に貢献した。2年目の今季は、チームの大黒柱としてフル回転が期待される。

 そんな山本に次いで、開幕第2戦の先発に内定しているのが、今オフにロッテからポスティングシステムでドジャースに移籍した佐々木朗希だ。

 2019年のドラフト会議で4球団がドラフト1位指名した逸材は、ロッテで5シーズン(実働4年)を過ごした。3年目の22年には20歳5か月で完全試合を達成。あと数年はロッテのエースとして活躍が期待された。

 ところが、規定投球回数に達したことは一度もなく、シーズン二桁勝利も昨季が初めて。通算成績は64試合の登板で29勝15敗、防御率2.10、奪三振率11.5は、さすが“令和の怪物”といったところだが、早過ぎるポスティングには批判の声も少なからずあった。

若手の有望株ランキングで堂々1位

 多くのメジャー球団が興味を示す中、佐々木が契約を交わしたのは大方の予想通り、ドジャースだった。労使協定により、マイナー契約からのスタートにはなるが、開幕までにメジャー契約を交わし、アクティブ・ロースター(東京シリーズの登録人数は31人)に登録されるのが既定路線。そうなれば当然、カブスとの第2戦で先発マウンドに上がることになるだろう。

 MLB公式サイトが春季キャンプ前に毎年発表している「Prospect Rankings」(若手の有望株ランキング)でも堂々の1位に選出され、現地での注目度も日に日に高まっている印象だ。

 そんな佐々木は、現地25日にホワイトソックスとの練習試合で実戦デビュー予定だったが、急遽、野手のいないライブBP(実戦形式の打撃練習)に変更された。先頭打者にいきなり本塁打を浴びたが、その後は無難な投球を披露。ロバーツ監督も「現時点では期待通り」とコメントし、合格点を与えている。佐々木に対する現地での期待値も高まっており、一部では昨季のナ・リーグ新人王ポール・スキーンズと同等かそれ以上という声も聞かれるほどだ。

 スキーンズといえば、23年のドラフトでパイレーツから全体1位指名を受けた近年屈指のプロスペクトだった。MLBドラフト史上最高額で契約を交わすと、メジャー1年目の昨季5月にデビューを果たし、11勝3敗、防御率1.96をマークした。

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