巨人・田中将大について聞かれると自信満々で「順調です」を繰り返す「再生請負コーチ」に周囲から「そんなに言っちゃって本当に大丈夫?」

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 今季の巨人キャンプで最も注目が集まった田中将大(36)。その傍で復活を確信するかのような発言を繰り返しているのが、田中の再生を一任された久保康生巡回コーチ(66)だ。自信満々で口が滑らかなのだが…。

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2人の間に感じる「温度差」

「十分じゃないですか。皆さん150キロか60キロ、希望しているかわからないけど、まだこの時期。非常に状況的にはいい」

 那覇キャンプ終盤の2月24日。オープン戦に初登板した田中が、最速145キロを記録し、一回を無安打無失点に抑える結果を残した後、久保コーチは報道陣をご機嫌な様子でこう答えた。巨人軍担当記者は言う。

「確かにいい投球内容ではありましたが、まだ1イニング投げただけなのでなんとも言えないところ。けれど、久保さんはこの1カ月ずっとこんな感じなのです。『投手は35過ぎてからだから大丈夫』『順調です』『いい仕上がり』。100パーセント復活を確信しているような言いぶりで…」

 一方の田中は、大注目の中、緊張から解き放たれてただ安堵したという表情でこう語った。

「ゲームの中で緊張感がある中で出せたかな。2月中に1試合投げたいとは言ってきたので予定通り投げることができて、ホッとして帰ることができるなと思います」

 昨季、楽天で0勝に終わり、巨人に拾ってもらった立場を弁えているのだろう。197勝を積み重ねてきた大ベテランとは思えぬ謙虚な言葉である。

 楽観的に語り続けるコーチと、崖っぷちに追い込まれたベテラン投手との間に感じられる「温度差」。取材を続ける番記者らの間では、「さすがの久保さんでも田中を復活させることは簡単なことではないだろう」と不安視する声が聞かれるという。

「昨季0勝だった36歳ですからね。もちろん久保さんに、昨季の菅野智之をはじめ、数々の投手再生の実績があることは間違いありません。ただすべてのケースでうまく行ったわけでもないでしょう。菅野にしても、フォーム改造から完全復活までに1年近くかかった。たった1カ月でそんなに成果が出るものなのか」(巨人担当記者)

「マー君について俺に聞くな」

 阿部慎之助監督はじめ首脳陣は、田中については久保コーチに丸投げ状態だという。

「阿部監督に田中について聞いても、『久保さんに任せているから』としか答えません。”俺に田中のことを聞くな”という強い意向を感じるので、もう誰も尋ねようとすらしない。杉内俊哉投手チーフコーチ、桑田真澄2軍監督も同様で田中の話題になると口をつぐみます」(同)

 菅野智之を大復活させた実績もあり、久保コーチには誰も口を出せない雰囲気になっているというのだ。

「久保さんは飲みの席で延々と『昔、俺は…』と語り出すようなタイプですからね。コーチ陣の中では最高齢の66歳なので、立場が上であったとしても言いにくいところがある。とはいえ、首脳陣からは田中に関する全責任を久保さんに押し付けようとしている節を感じなくもありません」(同)

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