出会いは小学生の囲碁大会 「イラッとした」初対局から20年弱、二人が夫婦になった理由
人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。
そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。
今回登場していただくのは、昨年11月22日に入籍した囲碁界のビッグカップル、横塚力七段(30)と藤沢里菜女流本因坊(26)。
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【写真を見る】華やかな和装がお似合いの里菜さん いつもその隣にはスーツ姿の力さんがいる
出会いは小学生
出会いから20年弱、交際開始から7年の月日を経ての結婚。出会いのときも入籍の“直後”も、二人の間には碁盤があった。
ご両人が記憶する巡り合いの場は2006年。里菜さんが小2、力さんが小6のときの囲碁大会だ。里菜さんが通う囲碁道場に力さんが春季特訓で訪れたこともあったため、互いの顔を見知ってはいたが、対局はこの大会が初めてだった。
小学生にとって4歳の年齢差は大きく、力さんが勝利し、その勢いで優勝した。彼が打ち上げの席で「1回戦は普通に勝って……」と話すのを聞いた里菜さんは「イラッとしましたね」と憤慨したのを覚えている。
その後も大会に行けば顔を合わせた。しかし、母親同士が喋りはすれど、力さんにとっては里菜さんの3歳上の兄のほうが年は近く、彼女のことは「あいつの妹か」程度の認識だった。
史上最年少でプロ棋士に
それでも里菜さんは史上最年少(当時)の11歳6カ月でプロ棋士となり、逆に遅咲きの力さんは20歳でプロに。プロの世界では里菜さんが5年先輩だ。力さんはプロを目指していた時期、プロに交じって研究会にいくつも所属。うち3研究会には彼女もいて、そこでも幾度となく対局した。
「小学生時より差は詰まっていたものの、最初の2年ぐらいは僕のほうが勝っていたのに、やはり(里菜さんが)プロにもまれて、その後は急に強くなった」
と力さん。互いの連絡先は知らなかったが、研究会のグループラインで知ることに。若手棋士らと集団で遊びに行ったり、その帰り道で二人きりになったり。力さんがプロ棋士になってからもそんな関係は続き、時には帰路にゲームセンターで取った景品を里菜さんにプレゼントしたことも。
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