韓国にはグラドル文化がない…「アダルトと誤解されます」 開拓者ピョ・ウンジが戦う偏見の壁

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露出さえすればグラビア、という理解の子も…

――ウンジさんは中学生 の時から大学卒業までアメリカに留学していました。アメリカ人が好む女性のパーツは韓国や日本と違いますか。

 アメリカ人はお尻ですね。彼らの国では多くの女性がもともと大きな胸を持っていて、見慣れているからかもしれません。だからこそ、西洋の人たちはより大きなお尻や太ももを求める傾向があるんだと思います。私も2年間パーソナルトレーニングを続けてお尻や太ももが大きくなったんですが、欧米の人たちは「すごく厚みがあって素敵!」と喜んでくれました。

――どの国でも非日常にセクシーさを感じているのですね。ウンジさんは2016年から韓国で活動されています。韓国は日本よりもフェミニズムが強い印象がありますがグラビアについての反応はどうでしょうか。著書の中でも「フェミニストの人たちの中でもグラビア許容派と否定派がいる」と触れていますね。

 韓国の方が日本よりフェミニズムが活発だと思います。韓国のフェミニストの中にもさまざまな意見があります。中には過激なラディカルフェミニズムの女性たちもいますが、個人的には間違っていると思います。彼女たちはいつも喧嘩している印象です。

――著書の中で韓国にもグラビアの文化は少しずつ浸透していると書いていましたが、どのぐらいなんですか。

 韓国のグラビアが注目され始めたのは、ここ2年くらいのことです。でもその間にたくさんの誤解も生まれています。見る人の中にはアダルトとグラビアとの違いをわかっていない人もいますし、女の子たちの中でも露出さえすればグラビア、と間違った理解の子もいます。

 私のファンは、私がやっているグラビアがそういうものとは違うことをちゃんと理解してくれています。ファンの中には「韓国の女の子たちがやっているのはグラビアではなくて、本当のグラビアをやっているのはピョ・ウンジだけだ」とコメントする人もいます。

 実際、韓国で「グラビアとは何か?」と聞かれると、正直なところ説明するのが難しく感じます。韓国で今、グラビアアイドルと名乗っている人の中には、本来のグラビアの枠を超えて露出している人もいるからです。だからモデル自身が変わる必要も感じています。本来のグラビアとは、単なる露出ではなく文化や表現の一つなんですから。

――韓国でウンジさんを見て、グラビアを始めたという子もかなりいるんですか。

「あなたを尊敬しています。あなたのようになりたい」とメッセージをくれる子もいます。でも、韓国ではグラビアの仕事がないので、続けるのがとても難しいんです。韓国ではグラビア雑誌もないし、グラビアアイドルとしての仕事もほとんど存在しません。できることといえばデジタル写真集を発売することくらいです。

 だから、多くのモデルは途中で諦めるか、もっと過激な方向へ進んでしまいます。収入を得る手段が限られているから、どうしても「もっと露出を増やさないと売れない」という状況になりやすい。そして、最終的にはアダルトへ進んでしまうモデルもいます。

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