ナショナルズ「小笠原慎之介」を待ち受ける指揮官は“熱血漢で鬼軍曹”…日本の“闘将”と似ている?

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監督は鬼軍曹

 スプリングトレーニング2日目となる現地時間2月15日、ナショナルズに移籍した小笠原慎之介(27)が地元メディアの取材でマイクを向けられた。日米のキャンプ練習の違いなどを語った後、こんな感想も述べていた。

「16年のドラゴンズ1年目みたいな感じで、本当に新鮮な気持ちでやらせてもらっています」

 球場を移動しながら練習メニューをこなしていくメジャーリーグ式のキャンプは、初めての体験だ。プロ1年目の時のような新鮮な気持ちでいることを伝えたわけだが、メジャー1年目は「ドラゴンズ」での出来事を思い出すことになるシーズンになるかもしれない。

「ナショナルズのデーブ・マルティネス監督(60)は熱血漢、鬼軍曹、オールドスクールタイプなどと称されることの多い指揮官です。2019年にチームをワールドシリーズ優勝に導いていますが、規律に厳しく、実績のあるベテランに対しても容赦なく怒鳴りつけるタイプです」(米国人ライター)

 マルティネス監督は18年から指揮を執り続けている。チームの前身であるエクスポズ時代からワールドシリーズ制覇の経験はなかったが、18年当時は徐々に戦力が整い、ナ・リーグ東地区の優勝候補にも挙げられていた。

「フロントも優勝を意識し、『勝てる指揮官を』ということで招聘されたのがマルティネス監督でした。大谷翔平(30)がいたころのエンゼルスでも指揮を執ったジョー・マドン監督(71)を敬愛し、そのマドン監督がレイズからカブスに移籍した14年にはべンチコーチとしていっしょに移籍したほど。通算2599試合で指揮を執ったマドン監督のもとで学んだ熱血コーチがいよいよ監督にと、期待されていました」(前出・同)

 しかし、就任1年目は勝率5割を達成するのがやっと。優勝候補の期待に応えられなかった敗因は、選手とのコミュニケーション能力不足だった。マドン監督の右腕だったころ、マルティネス監督はベンチコーチとしてミスをした選手を叱りつけ、マドン監督がそれをフォローし、チームがまとまっていた。当時のマルティネス監督は「憎まれ役を演じている」と思われていたが、そうではなかったのだ。

「調子の上がってこない中堅、ベテランを容赦なく若手と交代し、ベンチの雰囲気は最悪でした。2年目にはワールドシリーズ制覇を遂げるわけですが、5月半ばには2ケタの借金を作り、『今季の監督解任第1号になる』と地元メディアに揶揄されました。6月からチームが立て直され、ワイルドカードでポストシーズンマッチに進出しました」(現地記者)

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