観光閑散期「冬の沖縄」に変化の兆し 「プロ野球キャンプ」に続く期待のキラーコンテンツとは
沖縄と聞けば夏のリゾート地としてのイメージが強い。ゆえに気温が下がる冬は観光客の足も遠のくとされてきた。そんな冬の沖縄に、新たな動きが生まれつつある。消費経済アナリストの渡辺広明氏が取材した。
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【写真】冬の沖縄でもファン殺到のキャンプの様子&建設中の「キラーコンテンツ」ほか
沖縄のホテルでは3月下旬から11月までプールを開放しているところが多く、この時期は「旅行日和」といえる。一方で、1月、2月は最も寒く、観光閑散期となる。そんな2月の沖縄観光の救世主が、プロ野球の春季キャンプだ。
2024年のプロ野球キャンプは、経済効果177億円、延べ観光客45万人以上と、前年比20・6%増を記録した(りゅうぎん総合研究所)。今年もその勢いは続いているようで、竜党の筆者が2月の日曜日の午後にドラゴンズのキャンプ地・北谷を訪れたところ、球場内だけでなく、ブルペンや室内練習場の前までファンで溢れかえっていた。また、水曜日に行われたベイスターズとの練習試合では、内野スタンドが立ち見になるほどの満員で、急遽、外野と連なる内野芝生席まで解放される事態に。6年ぶりのキャンプ訪問だったが、女性ファンの増加が印象に残った。
プロ野球にも「推し活」の文化が広がっているようだ。ドラゴンズの企画営業担当の荻巣高英さんに聞くと、キャンプ初日の沖縄限定グッズの売上は前年の1・8倍に増加し、中には1人で2〜3万円分のグッズを購入するファンもいるという。
沖縄では、ベイスターズ、スワローズ、タイガース、ファイターズ、イーグルス、ジャイアンツ、カープ、マリーンズ、ドラゴンズの計9球団がキャンプを実施しているが、各球団を巡るよりも「推しの球団や選手をじっくり見る」スタイルが主流になっているようだ。筆者自身も今回は2軍の読谷キャンプを含め、ドラゴンズのみを視察する「推し活」スタイルだった。スプリングキャンプはその時期にしか見られないため、まさに沖縄の2月観光のキラーコンテンツとなっている。
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