日本ハム・新庄監督が投手・山崎福也を「開幕DH起用」へ 意外に多い“投手の強打者”の豪快弾を振り返る
日本ハム・新庄剛志監督が、投手の山崎福也を開幕DHで起用する大胆な構想をぶち上げた。山崎は昨年5月30日の阪神戦でも6番を打ち、中前に先制打を放つなど打撃センスが良く、新庄監督も「彼くらい、いい選球眼を持っている選手はいない」と太鼓判を押す。打者顔負けの打力を兼ね備えた投手は、“投打二刀流”大谷翔平(ドジャース)は別格として、梶本隆夫(阪急)、金田正一(国鉄→巨人)、堀内恒夫(巨人)ら昭和期から数多く存在するが、今回は、主に平成以降の投手の強打者たちを紹介する。【久保田龍雄/ライター】
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桑田も二刀流で成功を収めることができたかも?
まずは巨人・桑田真澄の名が挙がる。PL学園時代に春夏5回出場した甲子園でチームメイトの清原和博に次ぐ歴代2位の通算6本塁打を記録。巨人入団2年目の1987年7月8日の広島戦で、北別府学からプロ1号となる決勝3ランを放ち、プロ初完封勝利と合わせて、両手に花の快挙を達成した。
2002年6月19日の横浜戦では、延長11回無死一塁で投手ながら代打に起用されると、「ドキドキでしたよ。(代打は)初めての経験でしたから」と言いながらも、勝利を呼ぶバスター安打を三遊間に放った。
投手として通算173勝14セーブを挙げる一方、打者としても通算打率.216、7本塁打、79打点。二刀流に挑戦しても成功を収めていたかもしれない。
“平成の怪物”松坂大輔も、西武時代はDH制のため、打席に立つ機会は少なかったが、打者でも怪物ぶりを発揮した。
プロ2年目、2000年8月7日のオリックス戦では、DH解除後、すべての野手を使いはたした9回2死満塁のチャンスで投手のデニーに打順が回ってきたことから、「代打・松坂」が実現。押し出し四球狙いの代打起用だったが、カウント3-1と打者有利になると、ベンチの「打ってもいいぞ」の声にハッスルして、2球ファウルで粘ったあと、栗山聡の140キロ直球を中前に2点タイムリー。貴重な追加点をもたらした。
さらに06年6月9日の阪神戦では、4点リードの8回にダーウィンから左中間スタンド最深部に打者顔負けのダメ押し2ランを放ち、「甲子園で打つ本塁打は何倍もうれしいです」とご機嫌だった。
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