エリザベス女王の夫「フィリップ殿下」の「大喪の礼」参列はなぜ物議を醸したのか…戦争の傷跡を超えて紡がれ続ける皇室と英国王室の絆
英国で沸き起こった「参列反対」の声
1989年2月24日、雨に濡れた新宿御苑で昭和天皇の「大喪の礼」が執り行われた。国内外からの参列者はおよそ1万人。各国首脳をはじめとする海外要人の参列者は、国際ニュースとして大きく報じられた。第二次世界大戦の終結から40年以上がすぎ、冷戦が終盤に入っていた当時、国際社会における日本の位置づけを確認する目安のひとつでもあったからだ。
英国で起こった議論も日本に“現在地”を伝えるものだった。「天皇ヒロヒト」の葬儀への参列を疑問視する、あるいは明確に反対する声が上がったのである。...