「妻はチャイナドレスの似合う超絶美女」 コロナ給付金詐欺で逮捕の中国人元外交官 捜査機関が問題視する“ウラの顔”とは
〈最年少の外交官〉
捜査機関がこれほど力を入れる背景には、徐容疑者の華麗なる経歴がある。彼がかつて受けたメディアのインタビューなどを基に、たどってみよう。
中国生まれの徐容疑者は、16歳の時に飛び級で武漢大学に入学を果たす。中国で最も権威のある「国家重点大学」に指定された高等教育機関の一つで、彼は同大大学院では日本近代文学史を専攻。23歳で修了後、日本の文科省にあたる文化部に奉職する。1986年、入部から半年後に来日し、在日中国大使館の3等書記官となるが、その当時、中国では〈最年少の外交官〉だったとして胸を張る。
その3年後に帰国した徐容疑者は、29歳で文化部を辞め、その後再来日を果たす。95年には「御膳房」をオープンさせて、日本では珍しい雲南地方の薬膳料理を紹介。人気を集めて都内屈指の高級中華料理店に育て上げた。
店のホームぺージには〈御膳房六本木店は歴代首相を始めとする日本政財界、中国大使館などによくご利用されています〉といううたい文句が掲げられている。
単に店の箔付けのようにも聞こえる宣伝文句にこそ、当局が本腰で強制捜査をした意味が隠されている。
「妻はものすごい美貌の持ち主で“華僑の四大美女”
「御膳房は中国大使館の人たち行きつけのお店として、有名なところでした」
と振り返るのは、中国経済や企業に詳しいジャーナリストで、千葉大学客員教授の高口康太氏である。
「あの店がオープンした当時から、中国人が経営する高級中華は都内に幾つかあったと思いますが、中国大使館をターゲットにしたという意味では、珍しい店だったと思います」
都内有数の歓楽街に店舗を構える「御膳房」六本木店は、中国大使館の徒歩圏内に位置している。そんな好立地に店を出せたのは、徐容疑者のパートナーの存在が大きいとされる。
徐容疑者を知る在日華僑が明かすには、
「徐容疑者の妻はものすごい美貌の持ち主です。今は60歳前後だと思いますが、若い頃は都内に住む中国人の間で“華僑の四大美女”として有名でした。大柄でスタイルも良く、目がクリッとしてきっぷがいい。店ではチャイナドレスを着て客のテーブルまであいさつに来るなど、徐容疑者よりも圧倒的に目立つ存在でした」
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