「妻はチャイナドレスの似合う超絶美女」 コロナ給付金詐欺で逮捕の中国人元外交官 捜査機関が問題視する“ウラの顔”とは

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とんでもない“守銭奴”

【全2回(前編/後編)の前編】

 コロナ禍のどさくさで給付金をだまし取る。発覚が後を絶たない詐欺事件で今回逮捕されたのは、異色の経歴を持つ中国人男性だった。中国大使館の元外交官でありながら、政財界の要人が通う高級中華料理店を経営するこの男。さらに、妻は“華僑の四大美女”と呼ばれ、自身も高級中華料理店を経営。捜査当局が注目する、夫妻の“ウラの顔”とは――。

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 容疑者の素性、そして数々の疑惑――。何もかもが特異といえる事件が、明るみに出つつある。

 今月5日、国からのコロナ給付金をだまし取ったとして、警視庁公安部は中華料理店「御膳房」など8店舗を経営する「東湖」(東京・六本木)社長で、中国籍の徐耀華容疑者(62)を詐欺容疑で逮捕した。彼の部下で経理担当だった小島敬太容疑者(28)も同じ容疑で逮捕されたが、事件はこれで終わらないとみられている。

 いったいなぜか。まず理由の一つには、徐容疑者がとんでもない“守銭奴”であることが挙げられよう。

容疑者の“ウラの顔”

 社会部デスクによれば、

「徐容疑者らは共謀して、2020年から22年にかけて、従業員の小島容疑者が“会社の指示で休業していたのに休業手当を受けていない”と偽り、およそ375万円をだまし取った疑いで逮捕されました。それにとどまらず、徐容疑者は約70名の従業員ほぼ全員分の虚偽申請をしていた疑惑まで浮上。事実なら、詐取した金額は数億円にも及びます」

 全国各地でコロナ給付金にまつわる詐欺事件の摘発が相次いでいるが、詐取した金額は桁違いといえる。

 だが、それ以上に問題視されているのは、徐容疑者の“ウラの顔”である。捜査機関の動きを見ても、今回の事件は単なる詐欺事件とは思えないのだ。

「詐欺などの知能犯は、警視庁なら刑事部の捜査2課が担当しますが、徐容疑者を逮捕したのは公安部です。中国の工作などによる対日有害活動を取り締まる役目を担う公安部が、徐容疑者の経営する店など関係先約20カ所を家宅捜索し、数々の物証を押収しています。捜査の目的が徐容疑者の背後関係に及んでいることは明らかです」(同)

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