“パワーと乱闘”で日本球界に新しい風 「ビュフォード」が貫いたアグレッシブな野球(小林信也)

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 ドン・ビュフォードは、1969年ワールドシリーズ第1戦で史上初の先頭打者ホームランを打った。それほどの実績を持つ現役大リーガーが73年、太平洋クラブ・ライオンズに入団した。経営母体が変わって1年目。契約金は破格の8万ドル(2216万円)。「1000万円プレーヤー」が高給取りの証しだった頃、ビュフォードへの期待の高さが分かる。

 鳴り物入りでの入団には背景がある。71年秋にオリオールズが来日した際、「抜群の選球眼を誇る核弾頭」「オリオールズ史上最高の1番打者」と読売新聞で紹介され、日米野球でも大活躍した。...

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