低予算映画から大河主要キャストに大出世 “52歳イケオジ俳優”の躍進が止まらない

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 単館上映のB級映画からNHK大河ドラマへ――。珍しい出世街道を驀進(ばくしん)するのは、俳優の山口馬木也(まきや・52)。世間的な知名度はイマイチでも、今年で芸歴27年を迎えるベテランだ。

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製作費2600万円の主演映画が大ヒット

 芸能デスクが解説する。

「昨年8月公開の自主製作映画『侍タイムスリッパー』に主演しました。製作費がわずか2600万円という典型的な低予算のインディーズ作品です。公開当初、上映館は都内の池袋シネマ・ロサだけでしたね」

 時は幕末。家老から「長州藩士を討て」との密命を受け、京都にやって来た会津藩士の高坂新左衛門は相手と刃を交えた瞬間、落雷に遭って意識を喪失。目覚めた場所は同じ京都ながら、時空を超えた現代の時代劇撮影所で……。

「山口が演じる高坂は、すったもんだの騒動の末、自分がタイムスリップしてきたという現実を受け入れ、侍として“わが身を立てられるのはこれのみ”と、時代劇に登場する“斬られ役”として新たな人生を踏み出します。コメディー作品ではありますが、徳川幕府や主君に義理と忠誠を尽くす武士という、難しい役を見事に演じ切りました」(同)

 熱演は評判を呼び、高い評価がSNSで拡散された。結果、上映館は全国348館まで拡大した。

「作品は興行収入が8億円を超える大ヒットを記録。〈日刊スポーツ映画大賞〉で作品賞、監督賞、主演男優賞という3冠を達成し、〈ブルーリボン賞〉でも作品賞と主演男優賞で2冠を達成。〈日本アカデミー賞〉では主演男優賞など七つの部門で優秀賞に選ばれました」(同)

NHKから熱烈オファー

 時の人となった山口に、NHKも熱烈オファー。今月3日、来年放送の大河ドラマ「豊臣兄弟!」において、主要なキャストで起用したことを明らかにした。

 テレビ担当記者が言う。

「本作の主人公は周囲から“天下一の補佐役”と称された秀吉の実弟・秀長です。主役を仲野太賀(32)、秀吉を池松壮亮(34)が演じます。山口の役どころは、秀吉とともに織田信長に仕えた武将の柴田勝家ですね」

 山口は大河に4回の出演経験を持つ。それぞれ平成13年に放送された「北条時宗」を皮切りに、「八重の桜」(平成25年)、「麒麟がくる」(令和2年)、「鎌倉殿の13人」(令和4年)だが、

「出番は決して多くない脇役ばかり。が、このほど演じる柴田勝家は信長に忠誠を誓う重臣の一人で、信長の死後には織田家の後継と領地の再分配を協議する〈清須会議〉で秀吉・秀長兄弟らと対立します。かなり重要な役回りですよ」

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