テレ朝が「フジHD株」を“買いあおり”? 大株主に躍り出たレオス・藤野社長が「グッド!モーニング」で言いたい放題
「テレビ事業を売却して不動産会社に」
大幅減益なのに、フジ・メディア・ホールディングス(以下・FMH)の株は今も高値を付けている。「週刊新潮」2月20日号でも報じたように、FMHの経営陣が早晩刷新されると、投資ファンドが踏んでいるからだ。FMHの保有する莫大(ばくだい)な不動産も視野にあるだろう。
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2月7日、5%超の大株主に躍り出たレオス・キャピタルワークスも、そんなそろばんをはじいて買い占めたのだろう。一方、投資ファンドに振り回されるFMHの様子を、対岸の火事とばかりにはやし立てているのがテレビ朝日である。
2月13日の「羽鳥慎一モーニングショー」ではコメンテーターを務める起業家の石山アンジュ氏が、
〈(レオス社社長の)藤野(英人)さんは私もお話をしたことがあって存じ上げているんですけど、すごく有名な投資家ですし、投資というところだけではなくて、経済・社会の未来を予見する有識者のような存在という印象もあります〉
〈その藤野さんがこれだけ大量保有するんだ、というのは、それに続いて、その可能性を感じて株を買う人も増えていくんじゃないかなと思います(後略)〉
“買いあおり”と受け取られかねない発言だが、テレ朝の暴走はさらに続く。2日後の「グッド!モーニング」で、レオス社の藤野社長が登場して今度は本人が言いたい放題。テレビ事業を売却して不動産会社になるという選択もあると言うではないか。それでいて、藤野氏は6月に予定される株主総会での株主提案はしないという。
テレ朝側の見解は
証券会社の幹部によると、
「そもそも総会での株主提案権は半年以上前から株主である必要がありますから、昨年暮れから買っているのでなければレオス社に提案権はありません。それとテレビ事業の売却はFMHの定款に反することになる。無理なことを承知の上での発言でしょうが、テレビを使って話題になるのを狙っているように見えます」
親会社が同じく上場している認定放送持株会社なのだから、テレビ朝日も承知しているはずだが、同社に聞いてみると、
「論評の範囲内と考えております」(広報部)
作家の吉川潮氏が言う。
「私もワイドショーの構成をやっていたから知っているけど、テレビは常に“水に落ちた犬は打て”です。これまで打つ相手は人だったけど、今回は“法人”だということ。相手が替わってもやっていることは同じです」
フジテレビもひどかったが、“仕手株”さながらの“買い”をあおるとは“公共の電波を預かっている”という見識は、テレ朝にも見当たらない。