アニメにNHK大河、話題の香港アクション映画まで…すごすぎる作曲家「川井憲次」の意外な素顔「普段は音楽のことを考えてないです(笑)」
第1回【音楽を手掛けた“香港アクション大作”が大ヒット! 巨匠「川井憲次」が「結構キツかったですね(笑)」と語る納得の理由】を読む
公開から3週間足らずで興行収入1億円を突破した「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」。九龍城砦を超リアル再現したセットや超絶アクション、個性たっぷりの俳優陣などすべてがハイクオリティな本作に、日本から2人の「ケンジ」が参加している。アクション監督の谷垣健治氏と、作曲家の川井憲次氏だ。谷垣氏、ソイ・チェン監督に続くインタビュー第3弾は川井氏が登場。第2回では、プライベートで聴いている音楽や押井守監督との仕事について語る。
(全2回の第2回)
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【写真】香港空港に「九龍城砦」出現…リアルすぎるセットが特別展示された時の様子
監督の意図を探りながらの作業
「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」の音楽制作において、川井氏は舞台である九龍城砦を「あまり意識していなかった」と語った。これまでの作品とおなじく、自身の音楽に影響を与えるのはやはりストーリーだという。
「ストーリーの展開や、監督が何をやりたいのか、どういう風に表現したいのかということを探りながら作る感じです」
後の展開を考慮し、逆算して音楽を考えることもあるが、シーンの解釈について監督と深い話をすることはないという。
「もちろん自分が考えている範疇でのことですが、それがもし監督の思い描いてることと一致していればOK。監督が説明をしなければいけない時って、僕が勘違いしている時なんですよ。僕が作った音楽を監督が聞いて『いや、川井さんそうじゃないんだ』となった時に、『ここはこういう風に、主人公のこの感情を出したい』といった説明が加わることもあります。もし僕の解釈が間違っていない時なら監督は何も言いません」
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