「孤独」と言われた画家 パウル・クレーの交流と創作の実像を探る展覧会

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「孤独の芸術家」の素顔とは

 パウル・クレー(1879~1940年)の創作の軌跡をたどる「パウル・クレー展 創造をめぐる星座」が愛知県美術館で開催中だ。特定のグループに属さず独自の道を歩んだクレーは、しばしば「孤独な芸術家」と語られる。しかし本展では、彼が多くの人とも交流し、歴史の荒波の中で模索し続けた姿が浮かび上がる。

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 例えばこの作品《赤、黄、青、白、黒の長方形によるハーモニー》。描かれているのはただの四角の連続。にもかかわらず、このそれぞれの四角はとらわれなく自由で、何色とも名付けようのない色たちが呼吸を合わせて遊ぶように連なってゆく。...

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