「DA.YO.NE」のヒットから30年…54歳になった「GAKU-MC」が大切にするイマジネーションを生み出す“時間”とは

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

読書から生まれるイマジネーション

 その後もキャリアを積み重ね、昨年には4年ぶり10作目のニューアルバム「Master of Ceremonies」を発表。「18歳の時に出会った友人達でもあり、時に嫉妬しながら高め合ってきたライバルでもある特別な存在」と話すRHYMESTERらゲストミュージシャンとともに作り上げた意欲作は、GAKU-MCが歩んだキャリアの垣間見える一作に仕上げられた。

 今年でソロ活動26年目を迎えたGAKU-MCだが、「ベテラン」と呼ばれる年齢に差し掛かった今も変わらずに大切にしているのは、「読書をきっかけに生まれるイマジネーション」であるという。

「僕自身は本と向き合う時間をとても大切にしていて、今でも週1冊くらいは本を読むようにしているんです。色々な本を読みますが、最近聞きに行ったビジネス書で有名な永松茂久さんの講演も本当に面白かった。ラッパーとしての表現はどうしても自分の思いに偏りがちになってしまいますが、お話をお聞きして他者と向き合う大切さに気付かされましたし、それ以外にも本をきっかけに日々さまざまなことを学ばせてもらっています。スマートフォンでSNSを眺めるのも悪くないけど、さまざまなメッセージを届けるために色々な人の思いが加わった物語に触れる時間はかけがえのないものですし、皆さんにもそのような機会を失わないでほしいと思っています」

これからもチャレンジャーであり続けたい

「2025年はツアーをやりながら駆け抜ける1年にしたい」と勢力的な活動を誓うGAKU-MCだが、2月23日にはランニング、サッカー、ライブを掛け合わせた実験的なイベント「TRI GAKU LON(トライガクロン)」の開催も決定(2025年2月23日(日)14:00~18:00@MIFA Football Park)。

「絶対最高級の筋肉痛のお土産を持って帰っていただけるように、厳しめのメニューと優しい音楽をご用意してお待ちしています」とGAKU-MCが意気込むイベントは、音楽の新たな楽しみ方を提唱することにもなりそうだ。

 EAST END×YURIの「DA.YO.NE」が日本列島を席巻してから、ちょうど30年の月日が流れた。

 GAKU-MCが「今では大切な戦友のような存在」と話す市井由理(YURI)らと結成したユニットでの成功。その後のさまざまな挫折を乗り越えたGAKU-MCが目指し続けるのは「ファンの人生に寄り添う作品作り」だ。

「僕が『良い』と思う方は、『常に何かにチャレンジしている人』だと言うことにあるとき気付かされて。僕もライブにきてくださる皆さんに、“チャレンジャー”として見ていただけるような活動をこれからも続けていきたいですし、皆さんの顔を思い浮かべながら、誰かの人生に役立つ作品を世の中に送り出していきたいと思っています」

 近年はミュージシャンの枠にとどまらず、趣味のアウトドアやサッカーに関連する活動にも積極的なGAKU-MC。円熟味を増し、さらなる高みを目指す挑戦の姿に注目したい(了)。

第1回【「だよね~!」で日本を席巻した「EAST END×YURI」結成秘話…「GAKU-MC」が明かす最大の転機は「男性客でいっぱいのYURIのソロライブにゲスト出演したこと」】では、日本中に空前のラップブームを巻き起こした伝説の曲「DA.YO.NE」が生み出されるまでのエピソードや、大ヒットで生活にどんな変化が起きたかなどについて、GAKU-MCが振り返る。

ライター・白鳥純一

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。