「だよね~!」で日本を席巻した「EAST END×YURI」結成秘話…「GAKU-MC」が明かす最大の転機は「男性客でいっぱいのYURIのソロライブにゲスト出演したこと」
きっかけはFMラジオ
ただ、多くのミリオンヒットが誕生した当時の音楽シーンにおいて、ヒップホップやラップはまだまだ“日陰”と言える存在。
GAKU-MCも「周囲にラップで生計を立てているような方はほとんどおらず、自分が音楽を職業にするような未来は1mmも想像出来ませんでした。まずはCDデビューを目標に全力で頑張って『ラップという音楽を聴いてもらおう』とか、『焼肉くらい食べられたら嬉しいな』とか、その程度の感覚で捉えていたように思います」と当時を振り返るが…。
「共通の友人を通じて知り合った」という市井由理(YURI)との出会いによって、GAKU-MCの人生は大きく好転することとなる。
GAKU-MCを始めとするEAST ENDの3名は、当時は東京パフォーマンスドールの一員だったYURIと1994年2月にEAST END×YURIを結成。同年8月に発表された「DA.YO.NE」はFMラジオをきっかけに注目を集め、最終的にミリオンヒットを記録することとなった。
奇跡としか言いようのない出来事
「当時、YURIが在籍していた東京パフォーマンスドールのメンバーそれぞれがソロでライブをやることになって。ストリートカルチャーに関心があったYURIに『ラップを取り入れたステージにしたいので、色々教えてもらえませんか?』と声をかけてもらったんです。最初はYURIの楽曲制作を手伝っていたんですけど、準備段階で『せっかくだからゲストとしてステージに出てほしい』と本人に求められて、ゲストとしてステージに立つことになったんです」
新宿のシアターアプルで行われたライブパフォーマンスは予想を上回る盛り上がりを見せ、その様子を見ていた佐藤善雄氏(ファイルレコード社長・ラッツ&スターのメンバー)の勧めもあり、EAST END×YURIの結成が決まることとなる。
「ほぼ男性客ばかりが集まっているこの日の会場は、自分達にとって相当のアウェイでした。『帰れ』とまでは言われないにしても、ずっと観客に睨まれている可能性はあるかもしれないと思っていたので、いつも以上に気合を入れて臨んだことを覚えています。ところが僕らもまったく想像していないほどの盛り上がりを見せまして…。このステージがきっかけでEAST END×YURIの結成が決まったんです。もし、僕らがYURIのソロライブに参加していなかったらグループは誕生していなかったと思いますし、僕の人生もきっと違ったものになっていたはず。素晴らしい偶然が重なり合ってできた、『奇跡』としか言いようがない出来事だったと思っているんです」
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