資産総額200億円超 殺人事件を隠蔽した「みちのく記念病院」の悪いうわさ 「ニセの死亡診断書が常態化」

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「兄弟は“絶対君主”」

 こうした実態とは裏腹に、

「精神科や内科などを抱えるみちのく記念病院のベッド数は約410床。その7割近くを精神科に割いています。他の病院で拒否された患者も、県外からの転院も受け入れる。認知症や依存症は家族による介護が困難なので、“最後の砦”としての側面も大きいのです」

 その評価は1990年の開設以来、変わらない。

「弘前大学を出た隆容疑者が、八戸市立市民病院勤務を経てもともと父親が経営していた病院の跡を継いだ形です。病院開設と同時に杏林会を立ち上げ、94年に隆容疑者が理事長に就くと事業拡大に成功。みちのく記念病院を含む病院5施設を経営し、東北や関東を中心に20以上の老人保健施設も作った。哲容疑者が理事長を務める関連法人では、看護師や養護教諭を育成する大学も運営しています」

 ちなみに、民間調査会社によれば杏林会の資産総額は23年時点で200億円を超えている。

「事業拡大と並行して石山兄弟は“絶対君主”と化し、独裁状態となりました。誰も逆らえず、備品一つの購入に至るまで兄弟の決裁が要る。職員が意見しようものなら怒鳴り散らされるそうです」

 かような背景のもと、隠蔽事件は起きたのだった。

週刊新潮 2025年2月27日号掲載

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