フジ「CM」が戻らないのも当然か 佐々木恭子アナ、10年前に「積極的に嫌われている」

エンタメ

  • ブックマーク

CM引き揚げは妥当

 となると、スポンサーはCM正常化に慎重にならざるを得ない。CMを戻すことが自分たちへの批判に結び付きかねないからだ。

 毎日の世論調査は他紙と同じく、政治問題が中心。だが、時事問題も盛り込まれている。今回はフジ問題が設問に加えられた。

●元タレントの中居正広氏による女性とのトラブルを巡るフジテレビの対応を受け、テレビCMを取りやめるスポンサー企業が相次いでいます。CMの取りやめは妥当だと思いますか。

妥当だと思う:58%
妥当だとは思わない:16%
どちらとも言えない:25%

●中居正広氏の女性トラブルへの対応を巡り、フジテレビが信頼を回復するにはどうしたらよいと思いますか。(複数回答)

フジテレビ社員が関与した疑惑の解明:45%
女性アナウンサーや女性社員による接待の実態解明:42%
経営陣の刷新:52%
再発防止策の策定:48%
その他(具体的に):8%
わからない:10%

 フジ問題の事実の解明を多くの人が求めていることが分かる。半数以上の人が経営陣の刷新を望んでいることも目を引く。テレビ局は私企業だが、電波という公共材を使っているから、これらの声を無視するわけにはいかない。

 このような厳しい結果が出た理由は、今回の問題だけにあるのではなく、フジが以前から嫌われているせいでもあるだろう。

 佐々木恭子アナウンサー(52)が、梅津弥英子アナ(47)、中村仁美元アナ(45)と一緒に出演した同局のトーク番組「ボクらの時代」(日曜午前7時)で、「(フジは)積極的に嫌われている感じはあるよね」と語ったのは2015年6月。中村元アナも「(番組の)内容っていうよりも、局のイメージとしてチャンネル合わさなくなってるのかなって」と同調した。

 この時点で局アナが自覚するほどフジは嫌われていた。視聴率も悪く、2016年度から世帯視聴率は在京キー局で4位に。規模の違うテレビ東京を除くと、最下位である。以降、8年連続で4位。2020年度から標準化された個人視聴率も4年連続で4位である。

 オールアバウト編集部が昨年4月に行った調査「好きなテレビ局ランキング」(調査対象・全国10~70代の男女500人)によると、民放の人気順位は(1)日本テレビ(2)TBS(3)テレビ東京(4)フジテレビ(5)テレビ朝日。

 フジが下位であることは変わらないが 、個人視聴率の結果とはかなり違う。2月10~16日の個人視聴率の全日帯(午前6~深夜0時)はこうである。(1)テレ朝3.7%(2)日テレ3.4%(3)TBS2.9%(4)フジ2.2%(5)テレ東1.2%。

 テレ朝は視聴率が良いのに人気が低い。「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)や「相棒」(水曜午後9時)など中高年層をメインターゲットとする番組が多いせいだろう。

 ほかにも理由がありそう。2020度から民放は個人視聴率を標準化し、世帯視聴率は各局の株主報告書などから消えたが、テレ朝だけは参考値的に使い続けている。これも不人気を招いているのではないか。

 テレ朝が世帯視聴率も使う理由は単純である。テレ朝は世帯視聴率が高い。こういう手前味噌は自然と局全体のカラーに表れ、嫌われる要因となっていると読む。個人視聴率への一本化を阻んでいる理由の1つはテレ朝の協調性の乏しさである。

 テレ朝の最高権力者は代表取締役会長の早河洋氏(81)。日枝氏とはほぼ同年代だ。16年もトップの座に就いている。これも不人気の理由に違いない。

次ページ:嫌われるフジ

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。