令和のバンドマンはアイドル化している? “オジドル”松永天馬が説く「絶対にやっちゃダメなこと」

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 結成17周年を迎えるバンド「アーバンギャルド」のフロントマン・松永天馬(42)は、おじさんアイドル=オジドルと呼ばれることもある珍しいアーティストだ。自身の経緯を踏まえたオジドルが増える現代事情について語ってくれた前回に続き、今回はバンドマンの「アイドル化」を分析する――。

ジャニーズ崩落後、男性アイドルグループが多様化

 10代から40代までの男性グループが増えた原因を、当事者としてどう分析しているのだろう。

「40代でも“現役”ととらえる時代になってきたことはあると思います。ジャニーズ事務所の牽制力が弱くなったこともあって、男性アイドルが世に出やすくなってきた。もはや少子高齢化が進んだ影響で、30代もまだ若者という扱いになっていますよね。純烈さんや、秋元康さんプロデュースの『SHOW-WA』や『MATSURI』(ともに昭和歌謡を歌う、メンバー全員が30代以上のグループ)も、この年代がすき間産業だと思い、参入したのではと感じます」

 最近は「推し活」という言葉も一般的になってきた。推しを生きがいのようにとらえる人も多いが、オジドル増加の背景には女性オタクの台頭にも関係がある。

「今の時代、推し活は男性よりも女性の方がお金をつぎこむ印象があります。それが極端になるとホストみたいな話になってしまうのですが……。今は女性オタクの方が元気で、経済を回している。それと、男のオタクは結構、目移りする印象があるけれど、女性オタクは一途。『推しその人』にコンテンツとしての思い入れを強く持っている感じがします。だから演者の年齢はあまり関係なくなってきているのでは」

 ゆえに「オジドル」が活躍する下地がある、というわけである。

「その路線を突き詰めていくとジュリー(沢田研二)もそうじゃないですか。基本的にはミュージシャンであり、俳優だけどアイドルっぽい側面がある。年配の女性ファンが黄色い声援を送っていますし、ファンも最前列をゲットするために、一生懸命になっている。 きっと死ぬまで推し続けるんですよ。みんな死ぬまで推し活をして、演者の方も死ぬまでアイドル的な活動を続ける」

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