「北朝鮮に対する戦術はシンゾーに聞こう」 なぜ安倍元首相はトランプ大統領に深く食い込むことができたのか【日米首脳会談】
「握手もせずに……」
無論、石破首相が今からトランプ大統領とこうした親密な関係を築くのは難しいだろうし、本人も築けるとは思っていないだろう。
「トランプさんは共同記者会見の後、石破さんと握手もせずにさっさと出て行ってしまった。石破さん個人に対してはどうこう思っておらず、会談ではあくまで日本国と、友人だった安倍元首相への義理で、首相の顔を立てて友好ムードを演出していたのでしょう」(産経新聞社論説委員兼政治部編集委員の阿比留瑠比氏)
元共同通信ワシントン支局長で明治大学特任教授の杉田弘毅氏はこう話す。
「安倍さんのようにプライベートでも仲が良いほうがベターですが、石破さんとしては実利の面をストレートに話す関係を構築することも可能でしょう。アメリカ人との交渉では次に会った時に“Show me the number(進捗を数字で示せ)”と聞かれることが多い。今回の成功を受け、次回は約束したことの成果を一つ一つ具体的に数字で示せるか、難しい局面もありそうです」
トランプ大統領との初会談が成功裏に終わったことで胸をなで下ろしている石破首相は、“天敵”として対峙してきた安倍元首相の価値を、今さらながらかみしめているだろうか。
前編【石破首相は「“行きたくない”と感じているようだった」日米首脳会談 「及第点」を取れた理由とは】では、今回の日米首脳会談が大きな波乱なく終えられ、“及第点”を取ることができた理由について触れている。
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