石破首相は「“行きたくない”と感じているようだった」日米首脳会談 「及第点」を取れた理由とは
「不測の事態は起こらず、及第点」
【全2回(前編/後編)の前編】
運命の巡り合わせは皮肉なものだ。今月7日に行われた、ドナルド・トランプ大統領(78)と石破茂首相(68)による初の日米首脳会談。準備万端でその場に臨み、波乱なく終えられたのは首相の“天敵”だった故・安倍晋三元首相の「遺産」のおかげだというのだから。
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トランプ大統領との初の首脳会談を終えて帰国した石破首相は今月9日、NHKの「日曜討論」に出演し、次のように述べている。
「私はこれから先、かなり落ち着いてじっくり話ができるなという印象を持った。相性っていうんですかね、それは合うと思います」
かなり手応えを感じているようなのだ。実際、周囲の評判も上々で、
「今回の日米首脳会談は石破さんとトランプさんの初対面であり、不測の事態を起こさないことが最重要でした。トランプさんが想定外の爆弾発言をしたり、日米関係にヒビが入らないようにすることが大事だったわけです。その点では及第点だったといえます。日米関係を後退させないという目標・目的は達成されました」(政治ジャーナリストの青山和弘氏)
「石破さんは“行きたくない”と感じているようだった」
無論、それは石破首相一人の手柄ではない。
「今回の会談が成功した要因としては、故・安倍元首相が生前、トランプさんとの間に築き上げた人間関係という遺産があったことが大きい。さらに、そうした遺産を基に外務省を中心としたチームが綿密な作戦を練り上げた。石破さんは彼らの振り付け通りに動き、喋っただけに過ぎない、と評する声もあります」(政治部デスク)
会談実現の裏で、安倍元首相の妻の昭恵さんが大きな役割を果たしたことはすでに報じられている。
「昨年12月15日、フロリダ州にあるトランプさんの私邸・マールアラーゴで開かれた夕食会に招かれた昭恵さんは、トランプさんから“日本の首相にはすぐに会ったほうがいいのか?”と聞かれ、“ぜひ会ってほしい”と答えています。夕食会翌日、トランプさんは記者会見で石破さんとの早期会談に応じる意向を示しました」(同)
当初、大統領就任式前の1月半ばの会談が検討されたが、最終的には2月7日という日程に落ち着いた。
「日程が決まった後も石破さんは会談を楽しみにしている様子はなく、むしろ“行きたくない”と感じているようでした。石破さんの持論はアメリカと日本が“対等”な関係になる、というもので、そうした発言を度々してきた。その発言内容が全てアメリカに筒抜けになっていることを知らされ、ビビッてしまったようです」(官邸関係者)
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