北朝鮮兵がロシア兵を殺害して“指名手配”に…「与えられない食料」、「無謀な突撃命令」、「ドローン攻撃に晒される映像が公開」という極限状態での凶行か

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さらに増える戦死者

 北朝鮮は国内で情報統制を行っている。大多数の国民は“同胞”がロシアの大地でウクライナ軍のドローンに殺されていることを知らない。ロシア兵を攻撃する動画は公開しないウクライナ軍も、北朝鮮兵の場合は積極的に“宣伝”している。北朝鮮に何らかの形で情報が伝わることを期待しているのだろう。

 そもそも北朝鮮がウクライナと戦争する必要はない。「私たちに関係のない国の戦争で、なぜわが国の兵士が殺されなければならないのだ」と北朝鮮国内で秘かに疑問視する声が増えていけば、厭戦気分の醸成が期待できる。

「北朝鮮兵は満足な食事も与えられず、突撃を命じられてウクライナ軍のドローンに攻撃され、戦死していく動画を世界中に公開されています。アメリカとロシアは停戦交渉を始めるようですが、だからこそプーチン大統領はクルスク州での猛攻を命じているはずです。ゼレンスキー大統領は占領地の返還を条件に停戦交渉を進めることを公言しています。そのためロシアとしてはアメリカと交渉を始める前に自国領を取り戻したいでしょう。猛攻を命令されれば、最前線のロシア軍指揮官は北朝鮮兵に突撃を命じます。停戦を前に北朝鮮兵の戦死者数はさらに増える可能性があります。彼らにとっては正真正銘の生き地獄であり、ロシア兵を殺して脱走を図るのは、ある意味で当然だと言えるのではないでしょうか」(同・軍事ジャーナリスト)

デイリー新潮編集部

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