与党と財務省と野党が繰り広げる水面下の暗闘 国民民主の最適解はどこか

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国民民主か維新か

 アメリカのトランプ大統領の一挙手一投足に注目が集まる中で影が薄い日本の通常国会だが、新年度予算案をめぐる与野党の攻防が水面下で激しくなっている。自公与党は衆院で過半数割れしているため、予算案成立には野党の協力が欠かせない。その相手は国民民主か維新か、あるいはその両方なのか、はたまた……。今後の国会の行方を展望する。

「良くも悪くもアメリカのトランプ大統領の打ち出す政策に世界各国と同様に日本も振り回されている状況です。その点、日米首脳会談を無難にこなしたという評価をおおむね受け、現時点で深刻なレベルの閣僚の失言やスキャンダルが出てきておらず、報道各社の内閣支持率調査でも底堅いとは言わないまでも好転の兆しがなくはない。石破官邸はホッと胸をなでおろしている状況でしょう」

 と、政治部デスク。

 外交面での大きな失点がないとなると、首相を引きずりおろそうというエネルギーは自然小さくなる。

教育無償化

 現在、焦点となっているのは予算案の修正だ。

「予算案の修正自体は既定路線ではありますが、予算案が年度内に自然成立する流れを確実にするには3月2日までに衆院を通過させる必要があります。その道筋をつけるためにも21~23日あたりが与野党で合意するためのデッドラインとされています」(同)

 それを見据えた動きとして、石破茂首相は17日の衆院予算委員会で、今年4月から公立高校の実質無償化のため、国公私立を問わずに支給されている就学支援金の所得制限を撤廃することを明らかにした。

「さらに私立高校を対象にとした支援金の上限額についても引き上げに言及しました。これらのいわゆる教育無償化は維新が掲げる政策で、予算案に賛成するか否かの条件になっています。維新の前原誠司共同代表は石破氏と気脈を通じる間柄で、面談はもちろんそれ以外のやり取りを通じて両者の間での落とし所は見えていたはずです」(同)

 実際19日になって、「教育無償化をめぐって自公維が合意する見通し」が相次いで報じられた。

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