一流女優たちはなぜ「大胆ファッション」をいとわないのか 綾瀬はるかに憧れる一般人が要注意のポイント四つ
特に欧米では、「これが洋服?」という大胆なドレス姿が見られることもある。日本国内でも昨年、東京国際映画祭で綾瀬はるからが見せたドレス姿は大いに話題を呼んだ。
サービス精神と一言で片付けてしまうのは簡単だが、一体あのようなファッションにはどういう意味があるのか。
また、一般人が憧れてまねするのはOKか? その場合何に気を付ければいいのか。
ロンドン在住のイメージコンサルタントで、『知的に見える男、バカっぽく見える男』などの著作があるテート小畠利子さんに解説してもらった(文中敬称略)。
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胸元が大胆に開いたファッション
映画祭やプレミアのレッドカーペットで、さっそうと登場する俳優たちの華やかなファッションには、高い関心が集まる傾向にあります。
映画「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズ第4弾、「ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今」のプレミアが先日、ロンドンで行われました。ブリジット・ジョーンズこと、主演女優のレネー・ゼルウィガーは、最初のシリーズが公開されてから、おおよそ25年がたとうとしていますが、パッと目を引くバービーピンクのロングドレスを身にまとい、年齢を感じさせない、しなやかな腕と美しいデコルテをあらわにした、スリムでエレガントな姿はマスコミから脚光を浴びました。ちなみに、この作品は日本では4月11日に公開されるそうです。
華やかな授賞式といえば、今年1月に開催されたアメリカのゴールデングローブ賞もその一つ。映画「SHOGUN 将軍」は数々の賞を受賞し、真田広之や浅野忠信はフォーマルなブラックタイ姿で堂々たる受賞スピーチを行いました。特に浅野氏の会釈をしているような前屈みの姿勢は日本的で、謙虚で喜びを率直にあらわにした英語で語ったスピーチは新鮮で好感度にあふれ、英国でも温かく受け止められました。また155センチの小柄なアンナ・サワイは主演女優賞を受賞し、胸元から覆うディオールの真っ白なロングドレスにカルティエのチョーカーを合わせ、シンプルな上品さを醸し出しました。昨年の9月に開催されたエミー賞授賞式では最優秀主演女優賞も獲得し、この時は胸元が深く開いたヴェラ・ウォンの真っ赤なマーメイド風ロングドレス姿で登場し、人目を魅了しました。
「谷間」は問題視されない
「お胸」について少しお話ししますと、西洋人女性の体格は日本人に比べて凹凸があり、平均して胸のサイズも日本人より大きいです。だから、あえて胸元をあらわにするつもりはなくても、自然と「谷間」ができてしまいます。一方、胸の大きい人が首元まで覆うトップを着ると「はと胸」のように見え、大きな胸はさらに大きく見えてしまい、シルエットが崩れてしまいます。だから詰まったものよりもある程度、深めのネックラインの方がバランスが取れるのです。
そういう凹凸のある体形のせいか、このような特別な映画祭などでなくても、欧米では職場やカジュアルな場でも、極端に露出する場合は別として、谷間が多少見えてもあまり問題視されません。元英国首相、テリーザ・メイはスーツを着用していても、深いV形のネックラインから胸元の谷間が時々見え隠れしたものでした。そういう背景もあり、欧米人が綾瀬はるかを見て、胸元に注目する、というよりは、39歳とは思えない若々しい美貌と体形、そしてため息が出るような美しいお肌に圧倒され、黒のドレスに関してはクラシックでエレガント、と思うのではないでしょうか。
胸元を見せるのを大胆とみなすかどうかは、体形に限らず、文化の違いにも要因があると思われます。欧米の女性はティーンエイジャーの頃から、フェミニンになりたい、セクシーに見られたい、という願望を持ちます。
一方、日本の女性は何歳になっても、きれいなだけでなくかわいくありたいと思い、「かわいい」が褒め言葉によく使われます。そういう背景もあって、日本では、あまり肌や体の線をあらわにすることは、欧米ほど望まれない傾向にあるのではないでしょうか。
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