群雄割拠の女子卓球で「早田ひな」が魅せた無敵の“3連覇” ブロンズをゴールドに変える「エースの強み」とは
ブロンズがゴールドに
その早田はこんなことを言う。
「パリ五輪までがシーズン1の早田ひな。ここからがシーズン2の早田ひなの始まり」
まだまだ進化し強くなることを宣言したのだ。パリ五輪女子シングルス銅メダリストの早田がシーズン2で目指すのは、2028年ロス五輪女子シングルスの金メダルだ。その可能性や如何に。
早田の卓球の特徴は、女子選手の中では群を抜くパワフルさにある。日本をけん引してきた伊藤美誠にしろ、平野美宇にしろ、体が小さくパワーよりもタイミングの早さで勝負するタイプだ。それに加えて早田は、パワーボールで闘うこともできる。いわば本格派なのだ。ある卓球ウォッチャーが解説する。
「いま早田は、中国選手と紙一重のところまできています。五輪で金メダルを獲得するためには、準決勝と決勝でともに中国選手と闘うことが予想されます。つまり早田が金メダルを獲るためには2人の中国選手を破らなければなりません。ハードルは非常に高い」
しかし一方で、パリ五輪での負傷から今回の全日本まで、ケガがありながら成長してきた。国内の実力者たちを寄せつけずに圧倒した実力、前述のようなクレバーさ、そして精神面での強さというポテンシャルがあれば、快挙達成の可能性は十分にある。
ただ注意したいのは、早田のプレイは全身を使ったパワーヒッターであるがゆえに、体のどこかが故障しないかということ。体のケアを心がけ、対戦が予想される選手の研究を重ね、自らの卓球の領域を完成させる。そのとき、パリ五輪のブロンズ色のメダルが、ロスでゴールドに変わっているかもしれない。
早田のシーズン2から目が離せない。
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