「イチローに代打」「投ゴロで2塁から生還」…公式戦でもなかなか見られない「オープン戦」で本当にあった“珍場面”や“珍記録”

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 球春到来を告げるプロ野球オープン戦が始まった。ペナントレースに向けての調整や1軍定着、レギュラー獲りを狙う若手のアピールの場としても見どころが多いが、過去には、あのイチローに代打が送られる“珍場面”や公式戦でも見られない思わずビックリの“珍記録”が生まれたことがあった。【久保田龍雄/ライター】

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2024年のオープン戦であった「史上初」の珍事

 初回に両チームの先頭打者がダブルで初球本塁打を記録する前代未聞の珍事が見られたのが、昨年3月15日のロッテ対ソフトバンクだ。

 まず1回表、オリックスの先頭打者・太田椋が小島和哉の初球、内角寄り144キロ直球をとらえ、左越えに先制ソロ。「プレーボール!」がコールされてから、わずか5秒後の出来事だった。

 2022年にヤクルトとの日本シリーズ第7戦でもシリーズ史上初の初回先頭打者初球本塁打を記録している“ミスター先頭打者弾”は「感触は完璧でした。積極的に行こうと思っていましたので、良いスイングができて良かったです」と会心の笑みをもらした。

 ところが、話はそれだけでは終わらなかった。その裏、ロッテの先頭打者・岡大海も、山岡泰輔の初球、144キロ直球を左翼席に“先頭打者本塁打返し”の同点ソロ。「どの打席でも積極的に行こうと決めているので、別に何も思わず。自分の打席はしっかりと自分のバッティングをしていきたいなという思いでやりました」とクールに振り返った。

 オープン戦での初回先頭打者ダブル本塁打は、1974年3月16日の阪急対巨人で、巨人・柴田勲と阪急・福本豊が打ち合って以来。公式戦でも通算15度記録されているが、ともに初球というのはなく、史上初の珍事となった。

 ちなみにこの日は、オリックスのドラフト4位ルーキー・堀柊那も8回に代打で登場し、国吉佑樹の初球、直球を中前に弾き返すオープン戦初打席初安打を記録。初もの尽くしとなった。

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